2018年1月29日8:22
フランスのAntelop Solutionsは、Visaの「Visaトークンサービス(VTS)」とMastercardの「MDES(MasterCard Digital Enablement Service)トークンサービス」に接続可能なホワイトラベルのSaaSモバイル決済プラットフォームを展開している。
VTSとMDESに接続可能なモバイル決済プラットフォームを展開
Antelopは、Visaの元シニアコンサルタントなどが設立した企業だ。同社では、スマホアプリに加え、イシュア(カード発行会社)用のサーバの管理を含む、VTSとMDESに接続可能なモバイル決済プラットフォームを提供している。
「Host Card Emulation(HCE)」は、ソフトウェアのみを使用してモバイルデバイス上の支払いカードを動作させる技術であり、これによりイシュアはクラウド上でクレジットカード等の処理が可能だ。Antelopでは、2015年にVisa からHCEに関するセキュリティ認証を最初に取得した企業であるという。また、2017年6月からは、モバイル決済に対応したSaaSプラットフォームを提供している。
SDKの提供でHCEに対応したウォレットサービスを導入する作業を簡素化
同社では、HCEのトークンサービスプロバイダおよびトークンリクエスターとして、Visaの「Visa Ready for Tokenization Program」の認定を取得。また、デジタルセキュリティベンダーのGemalto(ジェムアルト)からも認定を受けている。
ペイメントカード情報のセキュリティ基準「PCI DSS」に準拠したセキュアなHCE SaaSプラットフォームを通して、イシュアがHCE対応のモバイル決済を提供することを支援している。世界にはトークンサービスを提供する企業は複数あるが、その多くがトークナイゼーションにフォーカスしている。その点、Antelopは、SDKを提供することにより、イシュアがHCEに対応したウォレットサービスを導入する作業を簡素化できる点が強みとなるそうだ。
すでに同社のソリューションはフランスのCréditMutuelArkéaなど、さまざまな銀行で使用されている。また、「トップクラスの欧州の銀行に加え、南米、インド、マレーシアなどは、中間業者を通して提供しています」と、Antelop Solutions Head Of Sales Timothée Gruner氏は語った。
※取材は2017年11月28日~11月30日までフランス・カンヌで開催された「TRUSTECH(トラステック)2017」において。