2018年12月13日6:50
DBS銀行は、シンガポールに本拠を置き、18市場で280以上の支店を持つ大手金融サービスグループだ。同行では、シンガポールの特に中小企業 (SME) が顧客やベンダーから即座に資金を受け取ることが可能なQR決済ソリューション「DBX MAX」を展開している。2018年11月26日からは、DBSに口座を持つすべての中小企業などが利用できるようになった。
モバイルを活用したQRスキャンで即座に支払いが可能に
Peer to Peerの送金サービス「PayNow」と統合
「DBX MAX」は、中小企業が顧客やベンダーから即座に資金を受け取れるシンガポール初のモバイルQR決済ソリューションだ。DBS銀行では、「Singapore FinTech Festival2018」に出展し、同サービスのデモンストレーションを実施した。
「DBX MAX」では、QRコードを活用して、中小企業がモバイルアプリを通じて顧客やベンダーからリアルタイムで支払いを受け取ることが可能だ。中小企業では、クレジットカードや小切手など、数日の期間が必要だったが、スキャンのみで、即座に支払いが可能となるため、キャッシュフローを改善させることができるという。また、現金による取引など、手作業の回収も不要だ。
企業の担当者は、スマホのアプリケーションをインストールし、モバイルデバイス上でQRコードを生成してから、顧客にスキャンさせることで、即座に支払い通知がモバイルに送られる。
同サービスを利用することで、企業は決済端末導入のコストを削減することができる。また、取引レポートなどを参照することも可能だ。フランチャイズの場合、リアルタイムで受け取った資金を本社で確認することができる。
さらに、「DBS MAX」は、シンガポール銀行協会(The Association of Banks in Singapore:ABS)が展開するモバイルを活用したPeer to Peerの送金サービス「PayNow」と統合されており、シンガポールの統一QR規格である「SGQR」を使用しているため、消費者や企業の多くが、スキャンと支払いを簡単に行うことができるとしている。
中小企業のキャッシュレス支払いを加速
シンガポールに続き、香港でも展開へ
ABSでは、2025年までに小切手をなくすなど、シンガポールのキャッシュレス化を進めるというアナウンスをしている。DBS銀行 グローバル・トランザクション・サービシス グループ・プロダクト・マネジメント プロダクト・マネージャー Neo Zhi Wei氏は、中小企業でのキャッシュレス化の推進に向け、QR決済を採用する動きが進むとみている。
なお、「Singapore FinTech Festival2018」開催時は、サービスのローンチ後2週間の段階であったが、すでに約900の企業が導入していた。DBS銀行では、2018年末までに、6,000の企業での参加を目指す。また、2018年末までに香港でもソリューションを展開すると発表されている。
※取材は「Singapore Fintech Festival2018」のDBS銀行ブースにて。