2019年3月4日19:00
エブリイ、東芝テック、アララ、日立製作所は、指静脈認証を活用したキャッシュレス決済の実証実験を2019年5月7日から7月19日まで実施すると発表した。
同実証実験では、中国・四国地方でスーパーマーケットを運営するエブリイの鮮Do!エブリイ蔵王店(広島県福山市)において、エブリイの本部社員を対象に、指静脈認証によるユーザー登録・本人認証を行った上で、カードやQRコードなどを使わずに指静脈の生体認証のみで決済を行う一連の流れを検証する。これにより、指静脈認証による手ぶらでの決済の有効性や消費者の利便性などを検証するとともに、課題の洗い出しを行うそうだ。
同実証実験では、東芝テックのPOSシステムと、そのPOSに標準採用されているアララの電子マネーシステム、日立の指静脈認証システムを組み合わせて決済システムを構築し、現在アララの電子マネーシステムを導入しているエブリイの店舗でその有効性を検証するという。具体的には、エブリイのプリペイド式ハウスカード「エブリカ」と指静脈による生体情報を紐付け、認証を行う。
エブリイは、店舗運営の中で、キャッシュレス決済に取り組み、一般的なスーパーマーケットの利用率に比べ、エブリカによるキャッシュレス決済において高い利用率を有しているという。同実証実験では、キャッシュレス決済利用率で高い実績を有しているエブリイの取り組みをベースにした指静脈認証決済の有効性や消費者の利便性の検証を行うことにより、エブリイにとどまらず、汎用的に活用できるキャッシュレス決済の課題の洗い出しを行う。
なお、商用化にあたっては、日立の独自技術であるPBIを活用予定だ。PBIは、従来の生体認証技術と異なり、指静脈などの生体情報自体を保存する必要がないため、漏えいリスクを最小化するとしている。