2019年4月12日9:00
銀行系クレジットカード会社で組織する日本クレジットカード協会(JCCA)は、2019年4月11日、東京都千代田区のパレスホテル東京において第42回通常総会を開催した。
未稼働端末を除いたIC化率は93.8%に
JCCAは1984年に発足し、今年10月に35周年を迎える。これまで、カード決済端末の共同利用システムの創設、ICカード対応端末の設置推進などを行ってきた。35年前は4兆円の取り扱いだったクレジットカード決済市場は、約67兆円と16倍まで拡大している。
総会ではまず、第41期(2018年4月~ 2019年3月)の日本クレジットカード協会会長を務めた三菱UFJニコス 代表取締役社長兼社長執行役員の井上 治夫氏が登壇し、同期の事業報告、会計報告、および同氏理事・監事の任期満了に伴う役員選任が審議・承認された。
JCCAは現在、115社の会員会社で運営している。クレジットカードの取扱高は約20兆円となり、前年比では13.1%の増加と順調な伸びを示している。また、JCCAが主宰する「CAT共同利用システム」(各クレジットカード会社が相互に共同利用できるシステム)の設置台数は180万台を超え、社会インフラとしてキャッシュレスには欠かすことのできない重要な役割を担っているとした。井上氏は、「未稼働端末を除いたIC化率は93.8%となり、100%のIC化に向け着実な浸透をみせています」と説明した。
また、同日の理事会決議により、第42期日本クレジットカード協会会長には、ジェーシービー 代表取締役兼執行役員社長の浜川 一郎氏、副会長には、ユーシーカード株式会社 代表取締役社長の北嶋信顕氏が就任した。
第42期の基本活動方針は3つ
浜川氏は、第42期の基本活動方針として、①「安全」「安心」なクレジットカード社会の発展に向けた市場環境の整備、②クレジットカード取引に関する消費者利便性の向上、③クレジットカード関連法制に関する取り組みと消費者保護対応という3つのテーマを挙げた。
クレジットカードの普及に伴い、番号盗用や紛失、盗難被害は拡大しており、業界全体としての不正被害額は、2016年の142億円から2017年は236億円に急増し、2018年も235億円と高い数字で推移している。そのため、関係事業者を広く巻き込んだセキュリティ対策が求められる。第42期は、改正割賦販売法、実行計画2019に定められた、2020年3月末までのクレジットカード、加盟店端末の100%のIC化に向けた仕上げの年になる。JCCAでは引き続き、クレジットカード偽造防止、情報保護対策にクレジット取引セキュリティ対策協議会、日本クレジット協会などと密に連携を図り、取り組んでいきたいとしている。
また、一般社団法人キャッシュレス推進協議会の「キャッシュレスロードマップ2019」に記載されているように、目標であるキャッシュレス決済比率40%、将来的に80%を達成するためには、民間最終消費支出の9割に相当する290兆円の売上あるとされる業種でキャッシュレス比率を引き上げるとともに、30兆円、民間最終消費支出の1割の市場においてもすそ野を広げることが必要だ。前者はクレジットカードを保有する消費者の観点から、後者は加盟店支援の観点から調査と検討を進めていく。
さらに、クレジットカード取引における消費者利便性の向上については、キャッシュレス決済の不安を抱く理由の1つとして、使いすぎや不正利用被害に加え、自然災害による停電時、通信障害時に使えなくなることを挙げた。 2018年は北海道胆振地方で発生した地震とその後の停電で課題が浮き彫りとなった。浜川氏は、自然災害の多い日本でも、災害時に安心してクレジットカードを利用できることは、社会インフラとしての責務でもあるとした。東日本大震災に際して打ち出された自然災害発生時におけるクレジット取引の継続のための行動指針も含め、関係機関との連携を図りながら取り組んでいきたいとした。
3つ目のクレジットカード関連法制に関する取り組みと消費者保護対応については、改正割賦販売法による加盟店調査義務は運用局面にある。今後発生する運用上の課題について、体制を整備し、取り組んでいきたいとしている。
銀行系クレジットカード会社で組織する日本クレジットカード協会(JCCA)は、2019年4月11日、東京都千代田区のパレスホテル東京において第42回通常総会を開催した。
未稼働端末を除いたIC化率は93.8%に
JCCAは1984年に発足し、今年10月に35周年を迎える。これまで、カード決済端末の共同利用システムの創設、ICカード対応端末の設置推進などを行ってきた。35年前は4兆円の取り扱いだったクレジットカード決済市場は、約67兆円と16倍まで拡大している。
総会ではまず、第41期(2018年4月~ 2019年3月)の日本クレジットカード協会会長を務めた三菱UFJニコス 代表取締役社長兼社長執行役員の井上 治夫氏が登壇し、同期の事業報告、会計報告、および同氏理事・監事の任期満了に伴う役員選任が審議・承認された。
JCCAは現在、117社の会員会社で運営している。クレジットカードの取扱高は約20兆円となり、前年比では13.1%の増加と順調な伸びを示している。また、JCCAが主宰する「CAT共同利用システム」(各クレジットカード会社が相互に共同利用できるシステム)の設置台数は180万台を超え、社会インフラとしてキャッシュレスには欠かすことのできない重要な役割を担っているとした。井上氏は、「未稼働端末を除いたIC化率は93.8%となり、100%のIC化に向け着実な浸透をみせています」と説明した。
また、同日の理事会決議により、第42期日本クレジットカード協会会長には、ジェーシービー 代表取締役兼執行役員社長 の浜川 一郎氏、副会長には、ユーシーカード株式会社 代表取締役社長の北嶋信顕氏が就任した。
第42期の基本活動方針は3つ
浜川氏は、第42期の基本活動方針として、①「安全」「安心」なクレジットカード社会の発展に向けた市場環境の整備、②クレジットカード取引に関する消費者利便性の向上、③クレジットカード関連法制に関する取り組みと消費者保護対応という3つのテーマを挙げた。
クレジットカードの普及に伴い、番号盗用や紛失、盗難被害は拡大しており、業界全体としての不正被害額は、2016年の142億円から2017年は236億円に急増し、2018年も235億円と高い数字で推移している。そのため、関係事業者を広く巻き込んだセキュリティ対策が求められる。第42期は、改正割賦販売法、実行計画2019に定められた、2020年3月末までのクレジットカード、加盟店端末の100%のIC化に向けた仕上げの年になる。JCCAでは引き続き、クレジットカード偽造防止、情報保護対策にクレジット取引セキュリティ対策協議会、日本クレジット協会などと密に連携を図り、取り組んでいきたいとしている。
また、一般社団法人キャッシュレス推進協議会の「キャッシュレスロードマップ2019」に記載されているように、目標であるキャッシュレス決済比率40%、将来的に80%を達成するためには、民間最終消費支出の9割に相当する290兆円の売上あるとされる業種でキャッシュレス比率を引き上げるとともに、30兆円、民間最終消費支出の1割の市場においてもすそ野を広げることが必要だ。前者はクレジットカードを保有する消費者の観点から、後者は加盟店支援の観点から調査と検討を進めていく。
さらに、クレジットカード取引における消費者利便性の向上については、キャッシュレス決済の不安を抱く理由の1つとして、使いすぎや不正利用被害に加え、自然災害による停電時、通信障害時に使えなくなることを挙げた。 2018年は北海道胆振地方で発生した地震とその後の停電で課題が浮き彫りとなった。浜川氏は、自然災害の多い日本でも、災害時に安心してクレジットカードを利用できることは、社会インフラとしての責務でもあるとした。東日本大震災に際して打ち出された自然災害発生時におけるクレジット取引の継続のための行動指針も含め、関係機関との連携を図りながら取り組んでいきたいとした。
3つ目のクレジットカード関連法制に関する取り組みと消費者保護対応については、改正割賦販売法による加盟店調査義務は運用局面にある。今後発生する運用上の課題について、体制を整備し、取り組んでいきたいとしている。