2020年5月20日8:00
三井住友カードは、小売店向けのカード決済端末などを展開するSquare(米国カリフォルニア州サンフランシスコ、スクエア)との提携関係を強化しており、中小事業者に対するキャンペーンを共同で展開しているほか、三井住友銀行のネットワークを活用して地域金融機関とも連携したSquare製品の普及促進を行っている。これまでの取り組みについて、三井住友カードに説明してもらった。
キャッシュレス化の機運が高まる中、サービスを面で拡げる
――2019年3月にSquare社と提携強化の記者説明会を開催されましたが、まずは提携強化の経緯についてお聞かせください。
三井住友カード:Squareとは2013年5月に資本業務提携を発表して以降、同社の日本でのサービス提供をサポートしています。2018年4月に公表された政府主導のキャッシュレス・ビジョンや、2019年10月の消費増税に伴う「キャッシュレス・消費者還元事業」に向け、国内のキャッシュレスの機運が高まっていました。
そのようななか、中小事業者におけるクレジットカード利用を拡げることで、我が国のキャッシュレス社会の実現に貢献することを目的に、当社は2019年3月にSquareとの提携をさらに強化いたしました。
スピーディかつシンプルで先進的なSquareのサービスであれば、中小事業者のキャッシュレス化を実現できると考えました。
提携強化のポイントは、1つは、中小事業者のニーズに徹底的にお応えしたサービスを実現すること、もう1つは、三井住友銀行をはじめとしたグループ各社、さらにさまざまな事業者、金融機関の皆様とも連携を図ることで、Squareのサービスを面で拡げていくことです。
Square、三井住友銀行の3社と緊密に連携
―—「スクエアリーダー」を通じた30万円までの売上に対する決済手数料を無料化するキャンペーン等を実施されましたが、その成果についてご説明ください。
三井住友カード:日本におけるSquareの認知度を向上し、Squareのサービスを拡大するため、Squareと当社、三井住友銀行と三社で緊密に連携し、記者発表会やTVCM、新聞広告、WEB広告を中心に大々的なプロモーションを行いました。また、導入する事業者様の負担を軽減すべく、決済端末無料提供や手数料無料のキャンペーンも実施しました。Squareはキャッシュレス・消費者還元事業の登録事業者でもあったため、還元事業を通じて加盟店に決済端末の無料提供・手数料一部還元等のメリットを提供できたことも後押しし、Squareのサービスは一層拡大いたしました。
また、三井住友カードや三井住友銀行のウェブサイトにおいても、Squareのサービスをご紹介し、幅広く裾野を広げていきましたが、WEBでの獲得よりも、全国の支店、VJAでの営業強化施策を重点的に推進しました。
全国の支店、VJAで成果、「Stera」とのすみ分けは?
――全国の支店、VJAでの取り組みの成果はいかがでしたか?
三井住友カード:三井住友銀行の全国の支店にて事業者様へSquareのサービスのご提案を行い、キャッシュレス需要に応じてSquare加盟店は顕著に拡がっていきました。特に、10月からのキャッシュレス・消費者還元事業開始に向けたキャッシュレス化ニーズにタイムリーにお応えできたことが大きかったと考えています。
銀行の各支店においてお客様に丁寧にご提案をさせていただくことで、スマートフォンやタブレットでの決済方法に慣れていない加盟店様からは「最初は不安だったが、安心して使うことができた」といった声や、これまでキャシュレスを未導入であった事業者様からは「キャッシュレスを考えるきっかけとなった。導入後、お客様からクレジットカードを使いたいというニーズにお応えできた」など、Squareのサービスを導入した加盟店様からのたくさんの喜びの声が寄せられました。
――三井住友カード様では、新たなキャッシュレスプラットフォームである「Stera」を展開されておりますが、今後のSquareとの展開のすみ分けについてご説明ください。
三井住友カード:Squareは、現金しか決済手段の取り扱いがなかった中小事業者がキャッシュレス決済を導入する場合に、キャッシュレスの入門としての導入を推奨したいと考えています。
それ以外の事業者に対しては、オールイン・ワンのステラ端末(stera terminal)を推奨していきたいと考えています。