2011年3月4日11:33
大日本印刷(DNP)は、家庭のパソコンを使用して、非接触ICカード内の情報を、インターネット経由で安全に読み出し・書き込みが可能なNFC対応の認証サービス「スマートエージェンシー」を開発したと発表した。DNPは、サービス事業者に対し、システム構築時に必要となるICカードやリーダライタの個別仕様への対応を、パッケージにて提供することで、開発期間や費用の削減を図る。
スマートエージェンシーで使用するICカードコマンド、リーダライタ情報、暗号化情報などをDNPが運用するサーバに登録し、サービスごとに情報を組み合わせて使うことで、サービス事業者はソフトウェア開発期間や費用を大幅に抑えることができる。また、ICカードとリーダライタの情報をDNPサーバのデータベースに登録するだけで利用可能となり、その都度プログラムコードを作成する必要はないという。さらに、ICカードの暗号化機能を利用することで、安全なデータ通信を行うことも可能だ。このように、高セキュリティなDNPサーバが運用を代行するため、サービス事業者はファシリティやセキュリティ体制の整備負担も軽減できるとDNPでは発表している。
生活者は、パソコンに専用ソフトウェアをダウンロードし、サービス事業者が指定したリーダライタを接続することで、サービスが利用可能となる。DNPは同サービスをASPで提供するため、サービス事業者は新たにサーバを用意することなく、短期間でサービスを開始できるという。現在はTypeAカードのMIFARE UL/Classicに対応しているが、用途に合わせてその他のTypeAカードやTypeBカード、FeliCaへの機能拡張を行っていく。また将来は、パソコンだけでなくスマートフォンからも安全に通信が可能なサービスの開発を行う。
DNPは、流通・小売事業者、チケット販売事業者、SI事業者などへスマートエージェンシーを提供し、NFC関連で2013年度までに約3億円の売上を目指す。また、サービス事業者と共同でのシステム構築や、実証実験なども提案していくという。