2010年8月31日12:48
凸版印刷は8月31日、国内で初めてUHF帯ICタグ用のアンテナをフレキソ印刷を用いて製品包装箱などの紙器へ直接印刷する技術を開発したと発表した。フレキソ技術はゴム版または感光性樹脂版を用いた印刷で、段ボール箱、紙器印刷など大量生産に向いた印刷手法である。同社では今年度内に同技術の検証を終了し、2011年4月からの量産を目指す。
従来、紙器向けにICタグを利用する場合はエッチングもしくはスクリーン印刷などの製法でPETフィルムなどの表面にアンテナを形成。その上にICチップを実装したインレットと呼ばれるパーツを製造し、別工程でラベル加工してから、紙器へ取りつける作業が必要であった。同社が今回、開発した紙器へのソースタギング技術は、紙器を印刷する際の一般的な手法であるフレキソ印刷を用い、印刷機側の条件の最適化とインクの組成の最適化により、印刷時にUHF帯ICタグ用のアンテナを同時に形成することを可能にしている。
これにより価格は従来のスクリーン印刷で生産された紙器向けのUHF帯ICタグアンテナに対し、加工・取り付けの手間やコストを大幅に削減し、30%の価格削減を実現できるという。