2018年5月21日21:05
山梨県小菅村は、地域外から地域と関わりを深める「関係人口」に着目し、村外から村を応援してくれる方を「1/2村人(ニブンノイチ ムラビト)」と位置づけ、その人々にも村づくりに参加するインセンティブを提供するポイントカードシステム『こすげ村人ポイントカード』の運用を、2018年5月より開始したと発表した。
人口740人の小菅村では、平成27年度に策定した小菅村地方創生総合戦略で、「分数住民」の概念を掲げ、観光等で村を訪れる人(交流人口)を「1/3村人」、村に愛着を持ち地域づくりに関わる人(関係人口)を「1/2村人」、村内に居住する人(定住人口)を「1/1村人」と位置づけ、「1/3村人」→「1/2村人」→「1/1村人」へとステップアップしてもらう取り組みを進め、2015年から2017年の過去3年間、毎年人口が増加するなど大きな成果をあげているという。
『こすげ村人ポイントカード』は、この流れをさらに加速させるために、「1/2村人」と「1/1村人」を対象として、2種類を作成・配布する。「1/2村人カード」は、村外に居住するが、小菅村に愛着・関心を持ち、小菅村を応援してくれる人、また、「1/1村人カード」は、村内に居住する小菅村民となる。
なお、カードの運用については、サイモンズが運営する「サイモンズポイントシステム」を活用する。
1/2村人カードは、村内の主要観光施設である道の駅こすげ、小菅の湯、フォレストアドベンチャー・こすげでの買い物100円ごとに1ポイントを付与するほか、村外の加盟店および「サイモンズポイントモール」を経由したネットショッピングでも買い物金額に応じたポイントが付与される。
1/1村人カードは、1/2村民カードと同様に村内観光施設の利用ポイントに加えて、マイナンバーカードの地域ポイントとも連携している。また、小菅村オリジナルポイントとして、ウォーキングの歩数に応じたポイントや、村内施設の利用、健康診断など、村の活性化と村民の健康増進を目的としたポイントの付与も行われ、獲得したポイントは、500ポイントごとに村内の商店等でも使用できる500円分の金券と引き換えられる。
加えて、1/1村人カードにはIC機能も搭載されており、今後は村内施設の鍵として使用するなど、さまざまな展開を検討していく。
さらに、カードの最大の特徴は、有効期限が切れて失効したポイントが小菅村へ寄付されることで、寄付された失効ポイントは、多摩川源流域の自然保全や、村内外の方に向けたサービス向上に役立てられるそうだ。
小菅村では、同取り組みを通じて、村内のマイナンバーカードの申請人数も増加しており、まずは山梨県内のマイナンバーカード取得率No.1を目指して、1/1村人カードの普及に向けた活動を進める。また、今後は日本一のマイナンバーカード普及率を目指して、この取組を加速する方針だという。
なお、ポイントカードの運用は、村の主要観光施設の運営主体であり、今後の村内での地方創生事業の要となる新会社「株式会社 源」(2017年3月設立)とも連携し、小菅村の地方創生の効果の最大化を図るそうだ。