塚田農場でカメラ映像を活用して映像でのオペレーション分析による臨店業務(セーフィー)

2023年10月13日14:00

セーフィーは、エー・ピーホールディングスが展開する「塚田農場」の店舗オペレーション改善にセーフィーのカメラ映像を活用した新しい視点でのコミュニケーション施策を、トリノ・ガーデンと3社共同で行った。

外食産業におけるカメラ映像を活用した新たな店舗オペレーション改善(セーフィー)

外食産業は、コロナ禍の売上低迷と回復期における人手不足、さらに物価高騰による食材原価や固定費の増大など、厳しい環境に置かれている。飲食業内での中食、内食との競争をはじめ、外食への選択行動がWEB(スマートフォン)上で行われるため、飲食以外の産業の選択肢も増え、特定の店舗で食事をする来店意欲をかき立てる必要に迫られている。

同環境のもと、店舗展開を行う「塚田農場」では、各地の生産者と直結し生産から流通、販売までを一貫して手がける「生販直結モデル」を活かすことを目的に、人件費の改善と同時に、来店客数を増やし持続的に売上高を確保・伸長するため、来店者の体験価値の最大化が求められていた。

またこれまでも店舗運営のプロセス全体をはじめ、集客、来店、管理の各オペレーションにてDX(デジタル)施策を行ってきた。セーフィーとは、カメラとAIを活用した料理提供フローでの実証実験を行った経緯から、体験価値を引き上げる取り組みにカメラとの親和性があること、さらなる営業品質(商品・接客)の引き上げに向け、PDCAサイクルを効率的かつ効果的に回すことが可能なため、同施策が実現したそうだ。

店舗のオペレーション改善は、来店者の体験価値の最大化の一環として注力していたもので、「塚田農場」が強みとする「おいしい料理」「心地よい接客」の双方で利用者の満足度を高め、生産性も上げて売上を拡大しようという取り組みだという。同施策を行うにあたり、以前より『塚田農場』の映像活用について調査・分析を担当するトリノ・ガーデンと共同で実施した。トリノ・ガーデンでは「Safie」のクラウドカメラを使用し、店内滞在中における利用者の過ごし方やスタッフの接客・動作、音声などを計測後データ化、各データを改善前後で比較するもので、調査項目はテーマ毎に2,000項目以上を目視で計測している。

その上で、店舗とエリアごとの問題点が見えにくい「遠隔臨店」業務(オペレーション、スタッフ指導など)に着目した。同取り組みの現場におけるマネジメントは、各エリアのグループマネージャー(GM)が実施。GMは担当している複数店舗を臨店し、収益管理や料理・接客の品質管理を担うポジションだ。

カメラ映像の活用によるGM業務プロセスの確立として、“現場の事実”の振り返りを映像からピックアップ。「可視化」の手段と価値を再定義した。また、実際の映像による遠隔臨店導入で、GMと担当店舗のコミュニケーション機会の活性化につなげる。選抜GMから全国のGMへの展開では、GMが遠隔から店舗マネジメントが可能になった。導入後は、特定の時間帯(2~3時間)を決め担当店舗のカメラ映像をGMがモニタリングし、店長と映像データを用いて事実に基づいたフィードバックを行う(原則月2回の間隔で実施)。その他、習熟したスキルを持つスタッフの仕事ぶりを撮影した映像をムービークリップで切り出しダウンロードして、研修資料として使用する。

今後は、飲食業におけるカメラを活用した店舗遠隔マネジメントを実施するための仕組みづくりの提案と振り返りの伴走などを行っていく。具体的には、各飲食店の業態や店内の接客などコミュニケーションにあわせた以下の施策を本部・エリアマネージャーと行うものだ。
また飲食業だけではなく、店員が介在し来店者との密な接客が発生するアパレルなどの小売業でも、同施策のようなカメラを活用したコミュニケーションの振り返りは有効だ。さらに、業種業態ごとに作成、最適化されている店舗マニュアルの運用において、店舗の映像による実施の確認や評価ポイントの設定のほか、改善点の抽出などにも活用できる。

この記事の著者

New Retail Navi編集委員

※流通・コマース関係の情報を中心に記事をご紹介しております。

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