2020年12月4日9:21
ヘイ(hey)は、2020年12月3日、事業内容および会社統合に関するメディア説明会を開催した。2021年1月にグループ企業であるストアーズ・ドット・ジェーピー、コイニー、クービックの3社を吸収合併し、各社提供サービス運営会社をheyに一本化することで、EC、決済、予約の各機能の連携を強化する。
店舗やECのデジタル化を促進させるサービスを安価に提供
heyは、2012年3月に創業したキャッシュレスサービスを展開するコイニーと、2008年からサービスを展開していたブラケット(ストアーズ・ドット・ジェーピー)を2018年2月1日付けでグループ化し、事業持株会社として設立した。設立時は50名程だった従業員数も2020年12月時点で250名まで増加している。2020年8月には、Bain Capital、Anatole、Goldman Sachs、PayPalなどから第三者割り当てによる資金調達を実施。経営基盤を強化させることで、今後2年をかけて400名まで増員する計画だ。
日本では、中小企業に従事する労働人口比率が高く、7割を超えるシェアとなっている。今後は労働人口が減っていく中で、如何に生産性を高めるかが重要となる。heyでは、ソフトウェアやテクノロジを安価に、簡単に提供することで、中小の店舗やECサイトを支援している。ヘイ 代表取締役社長 佐藤裕介氏は「デジタルの力で簡単にエントリーでき、持続可能性を高めることで、より成長できるように支援しています」と説明する。
STORESはコロナ禍で食品分野が増加
プロダクトとして、ストアーズ・ド ット・ジェーピー社が提供するネットショップ開設・運営の「STORES」、コイニー社が提供する実店舗決済の「STORES決済」(旧Coiney)、決済SDKの「STORES決済SDK」、オンライン決済の「STORES請求書決済」に加え、2020年10⽉にはクービック社が提供するオンライン予約システム「STORES予約」を展開している。
STORES(ストアーズ)は、本格的なネットショップが、知識のない人でも簡易に作成できるサービスだ。デザイン性、操作性に加え、シンプルな料金プランでネットショップ運営者を支援している。
サービスの契約は、アパレル、食品、日用品・生活雑貨が多いが、「コロナ禍で食品が増えており、伸びが大きいです」と佐藤氏は話す。また、利用企業のロケーションは関東が47%を占める。
STORES決済は動物病院の割合も高い
STORES決済は、クレジットカード、電子マネー、QR決済を1台で利用できるキャッシュレスサービスだ。通常1万9,800円だが、キャンペーンで無料配布しているハードウェアを提供することで、誰でも無料でキャッシュレスソリューションを導入できる。
現在、グルメ、美容・施術業務での利用が多いが、「特徴は動物病院の割合が高いことです」(佐藤氏)。エリアシェアの4割強が関東だが、コロナ禍で地方のキャッシュレスニーズもさらに高まりを見せている。
さらに、メールやLINE等でURLを送るだけでクレジットカード決済が可能なSTORES請求書決済の引き合いも伸びているという。
STORES 予約はZoom連携が強みに
STORES 予約は、無料でスタートできるオンライン予約システムだ。予約から決済、 顧客管理に⾄るまで⼀気通貫して提供しており、専⾨知識がなくても簡易に使えるサービスとなる。
「ZoomとAPI連携しており、予約からZoomでのオンラインへの体験をシームレスにつないでいます。ヨガ、フィットネスの講習なども簡単に実現でき、コロナ禍中でも急速に事業が伸びています」(佐藤氏)
継続利用が多いことも強みに
サービス連携でデジタル化をさらに支援
これまでの事業の成果として佐藤氏は「2015年にお客様になった方はほとんど使い続けています。2020年はコロナの影響、デジタル化の加速で早いペースで成長しており、さらに角度は上がっていきます」と述べる。
新型コロナウィルス感染拡大を受け、中小企業や個人事業主の経営がさらに厳しくなると予想されるが、「少しでもコスト削減、売り上げ機会の向上に貢献できればと思います」と佐藤氏は力を込める。たとえば、STORES予約では、店舗への入金サイクルの短縮化によって資金繰りの改善につなげているという。
今後は、各社提供サービス運営会社をheyに一本化することで、EC、決済、予約の各機能の連携を強化し、デジタル化を強力に支援していく。また、各IDの統合、モバイルオーダーの提供、「関係機関との調整が必要」(佐藤氏)としたうえで、オンライン融資などのサービスも検討していくそうだ。