2021年5月21日8:00
若年層の決済利用促進に加え、金融教育にもつなげる
三井住友カードは、家庭向けのキャッシュレス決済サービス「かぞくのおさいふ」を展開している。「かぞくのおさいふ」は、家計の共有ができる「共通のおさいふ」と、家族の見守りができる「個別のおさいふ」で構成。「共通のおさいふ」は、家庭内の共同の家計管理者用に2枚のプリペイドカードで残高を共有できる。「個別のおさいふ」は、家計管理者以外の家族に割り当てられ、6歳(小学生以上)から利用可能だ。小遣いや仕送りとして入金された残高の範囲内で家族用のプリペイドカードで買い物できる。サービス提供から1年間の成果について、三井住友カードに話を聞いた。
記事のポイント!
①家族で家計を共有でき、子供もVisaプリペイドカードを利用可能
②金融教育、お小遣い管理、親子のキャッシュレス化、家族の見守りが一体に
③三井住友カードとの接点がなかった利用者も申し込み
④若年層の利用動向把握、チャージ額の利用等で成果
⑤「かぞくのおさいふアプリ」提供で利用をサポート
⑥よりチャージしてもらいやすい環境を整備へ
⑦現在の利用者や今後の目標は? 発展形のサービスも視野に
若年層のキャッシュレス化は課題に
決済に加え金融教育や子供の見守りの側面も
三井住友カードでは、2020年1月15日に「キャッシュレス・エクスペリエンス」の一環として「かぞくのおさいふ」を発表し、同3月16日からサービスを開始した。国内でキャッシュレスのすそ野は広がっているが、18歳以下の若年層は現金利用がほとんどで、電子マネーを使う人が多少存在する程度だ。国際ブランド搭載のカードを保有している人は少なく、キャッシュレス化が進んでいない状況だった。そこで、家族で家計を共有でき、子供でも利用可能なVisa付きのプリペイドカードを提供することが可能な「かぞくのおさいふ」を考えたという。
「かぞくのおさいふ」では、「金融教育」「お小遣い管理」「親子のキャッシュレス化」「家族の見守り」を一体として提供できるのが特徴だ。三井住友カード 商品企画開発部 部長代理 渡邊真司氏は「個別のおさいふの残高が減った時も親に通知が届き、管理者が見れる仕組みを構築しましたので、他社にない仕組みであると自負しています」と商品性に自信を見せる。また、「ご家族とのつながりを意識しつつ、子供が使うためのお小遣いに加え、安心が必要です。我々は金融でも教育を意識して推進していきたいと考えています。18歳までに決済に慣れていただき、クレジットも含めた複合的な顧客になっていただければ」と説明する。
三井住友カードでは、ANAとの提携カード「ANA VISAプリペイドカード」で若年層向けのプリペイドカードを提供した実績はあるが、プロパーカードとしてのサービスは初となった。
2020年3月16日のサービス開始時は新型コロナウィルスの感染拡大と重なったため、積極的なプロモーションは行うことができなかったが、目的を持った利用者が申し込んだ。2020年度下期になり、新型コロナウィルス感染拡大の傾向も見えてきたため、子供のお小遣いのキャッシュレス化として動画を配信するなど、プロモーションも強化している。
「かぞくのおさいふ」利用者の傾向は?
若年層のキャッシュレス動向を把握可能に
利用者の傾向として、三井住友カードの会員比率は男性が比較的多いが、女性が家計管理するケースが多いため、「かぞくのおさいふ」の申込者の男女比は半々となっている。また、三井住友カードのクレジットカードをこれまで申し込んだことがない人が約6割を占める。
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