2011年1月11日9:00
米金融機関はクレジットカードに代わる商品として、有担保ローンと個人無担保ローンに力を入れはじめた。
現在はまだバランスシート上大きなウェイトを占めるにいたっていないが、徐々に拡大している。米金融機関はふたつのターゲットを狙おうとしているのだ。
ひとつは金融危機後にクレジットプロファイルが悪化した人や、クレジット履歴のない人。この人たちには有担保ローンを勧めている。
もうひとつのターゲットは以前ホームエクイティローン(住宅担保ローン)を活用していた人たちだ。かれらは金融危機後に住宅を手放しているため、エクイティローンというオプションが使えない。彼らには無担保ローンを勧めている。
こういう状態は20年前に似ているという。FRBによると2009年のクレジットカードのリボルビング残高は前年対比9.6%減って8,658億ドルになった。
いっぽうオートローンなどの有担保ローンは同時期1.2%減っただけだ。残高は1.58兆ドル。
2010年の10月だけで比較すると、リボルビング残高は前年対比7.5%減に対し、有担保ローン残高は1%増となっている。
シカゴの非営利団体Center for Financial Services Innovationの調査によると、2008年の10月をピークに、2009年3月のクレジットカード保有者は3,300万人減少しているという。
個人信用情報センター大手のエクスペリアンによると、2010年第2四半期の個人ローン供与額は28%も伸びている。
さて、クレジットカードや無担保ローンの規制が強化された日本では、有担保ローンは伸びるのだろうか。それ以外の道は見つかるのだろうか。
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※本記事は日本カードビジネス研究会代表 佐藤元則氏の「カードBizと僕の勝手気ままログ」をご紹介しています。