資本業務提携先のJR東日本とポイント連携した千趣会、相互送客や会員基盤の拡大に注力【EC NOW】

2021年9月7日8:00

昨年9月にJR東日本と資本業務提携を発表した総合通販大手の千趣会が、JR駅ナカに設けたリアル店舗を通じたOMO施策や、ポイント連携による相互送客などに力を入れている。JRが運営するECモール「JRE MALL」への出店などにより、3か月間で4,000人以上の新規会員獲得につながった。このほど発表した新中期経営計画でも、自社ポイントとJREポイントの連携強化を目指すとしている。

渡辺友絵(通販研究所代表)

記事のポイント!
①老舗の大手通販企業と鉄道事業者が協業
②千趣会が「JRE MALL」にベルメゾンショップを出店、子育て世代がターゲット
③JRエキナカに店舗をオープン、OMO施策も
④ベルメゾンポイントとJREポイントの連携を開始
⑤相互送客を通じ3か月で約4,000人の新規会員を獲得
⑥休眠会員の掘り起こし、相互送客で成果
⑦過去の経験も踏まえ、一定の成果を生み出していくことが求められる

■店舗とECのシナジーや互いのポイント連携が協業の基軸に

JR東日本は千趣会の第三者割当増資を約20億円で引き受け、議決権比率が12.46%の筆頭株主になった。千趣会はそれまで官民ファンドの地域経済活性化支援機構から支援を受けていたが、2019年12月期に黒字化したことで2020年7月に連携を解消。入れ替わるように手を挙げたのがJR東日本で、老舗の大手通販企業と鉄道事業者の協業がスタートした。

千趣会はカタログやECサイト「ベルメゾンネット」などで約1,500万人の顧客基盤があり、通販商品の年間購入会員数は約294万人にのぼる。JR東日本は、「JRE MALL」や駅ビル・駅ナカの店舗、Viewカード、Suicaなどを通じ、1,000万人以上のポイント会員を有する。協業にあたり、両社は駅ナカ店舗などのリアル接点とEC事業のシナジー発揮や、互いのポイント連携推進による顧客基盤拡大を掲げた。

■「JRE MALL」への出店では子育て世代の開拓を強化

両社は今年3月から協業サービスに着手し、まずは千趣会が「JRE MALL」にベルメゾンショップを出店した。家具やインテリア、ファッショングッズなどの売れ筋を中心に、数千点規模をそろえたという。

「JRE MALL」内のベルメゾンショップで特に顧客ターゲットとして重視しているのが、千趣会が得意とする子育て世代だ。

妊娠・出産・子育て期の女性は鉄道の利用機会が減少し、JRの駅ビルや駅ナカのサービスを使わなくなる。一方で、その時期にはECの需要が高まり、コロナ禍で外出を控えることもあってネットショッピングの利用機会は増えていく。

こういった背景から、JR東日本の駅ビル・駅ナカ店舗の売り上げを補完する意味でもベルメゾンのネット通販は有望とみている。これらの女性たちがJR店舗を利用しなくなる時期が千趣会のサービスを使い始める時期に重なるとも考えられ、互いの顧客を相互連携することで会員の定着化を目指す。

東京駅グランスタの常設店舗「BELLE MAISO」(出典:千趣会公式サイト)

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