2021年9月17日9:16

フランス・タレス(Thales)グループの日本法人でデジタルセキュリティ部門を担う、タレス DISジャパン(以下、タレス)は、2021年9月15日、EVERING(エブリング)が提供するキャッシュレス機能搭載のスマートリング 「EVERING」 に採用されている決済テクノロジーに関するオンライン記者説明会を開催した。タレスは、「EVERING」のデバイスのセキュアな組み込みチップとOSおよびデバイスを利用するためのパーソナライズサービスを提供しているという。

タッチ決済可能なスマートリング 「EVERING」
認証分野など生活の様々なシーンでの活用も視野に

「EVERING」は、リング内部にICチップ(NFC Type-A)を搭載。充電が必要なく、リング1つあれば決済可能な非接触決済デバイスだ。PR TIMIS Mikkeの「スマートフォン利用に関する生活者実態調査」によると、現在、消費者がスマホを触っている回数は平均56回ともいわれる。市場調査などでも、レジの行列で決済をあきらめた人は各業種で20~40%いるが、非接触型は現金よりも3.5倍スピードが速いとした。

「EVERING」は、日本初、Visaのタッチ決済対応スマートリングだ。プリペイド方式を採用しており、事前にクレジットカードを登録し、お金をチャージすることで、利用可能だ(チャージ上限3万円)。9月1日より先行予約者に配布しているが、ツイッター等の評判も好評だという。また、義歯にも使用されるジルコニアセラミックにより、低刺激、高耐久かつ防水機能(5気圧)を実現している。

 

さらに、スマホアプリでチャージや機能停止・再開が可能で、盗難・紛失など万が一の事態に備えることが可能だ(開発中)。

「EVERING」は、2021年5月に先行予約販売したが即日完売。第2弾となる7月の先行予約販売もわずか数日で完売した。2021年10月からは一般販売を予定している。

EVERING 代表取締役 CEO 川田健氏は、今後、「EVERING」はEVERYTHINGにつながるリングとして、スマートロック、オフィス、交通系、シェアリングエコノミー、eチケットとしての認証など、利用できるシーンを増やしていきたいとした。

EVERING 代表取締役 CEO 川田健氏

なお、発行(イシュイング)に関してはすみしんライフカードが支援している。川田氏は「日本展開においてはFeliCaも含めて多岐にわたるツールがございますので、さまざまなものにトライしていきたいと考えています」と意気込みを見せた。

タレスは決済のパーソナライズ化等を提供
国内企業と連携してビジネス展開

「EVERING」のバックエンドのサービスはフランスのタレスがサポートした。タレスは日本では1970年からビジネスを展開。防衛分野の自衛隊への支援を皮切りに、その後、コンスタントに成長を遂げることができたそうだ。日本航空の機内エンターテイメントシステム、医療、科学などの分野でもビジネスを展開。タレスにとって日本での発展に契機となったのは2019年にGemalto(ジェマルト)を買収したことだ。ジェマルトはデジタルアイデンティティとセキュリティの分野で世界的にもリーダー的な企業となる。銀行、決済ソリューション、データ保護、eパスポートなどで世界的な地位を確立している。現在、国内の売上高は2億ユーロとなっており、日本はアジアで重要な市場の1つとなっている。

タレス DIS ジャパン 代表取締役社長 シリル・デュポン氏

タレスは日本において、地域企業と連携したエコシステムを強化しており、ナショナルプレイヤーの三菱重工業、三菱電機、日立、東芝、キヤノンメディカルとの協力関係をはじめ、大学や中小企業、革新的なスタートアップとの間でもパートナーシップを築いている。これに加えて、日本政府の考えるデジタル化された経済への移行をサポートしていきたいとした。

例えば、東京大学、大阪大学、理化学研究所とレーザーの基礎研究を行っている。医療では、長期にわたる関係をキャノンメディカル、日立、富士フイルムなどと構築している。また、デジタル世界でもNTTドコモやKDDI、楽天など、銀行や決済でも大日本印刷や凸版印刷をサポートしている。

EVERINGとの協業では、タレスは組み込みのセキュリティ、非接触の技術、決済のパーソナライズ化を提供している。タレス DIS ジャパン 代表取締役社長 シリル・デュポン氏は「今後もタレスでは国内での決済事業を成長させ、他のフィンテック(FinTech)企業とも協業を進めていきたい」と話した。

カード製造・発行、決済や・銀行のデジタル化を支援
フィジカルからデジタルへの移行をサポート

同社の決済事業と市場トレンドについては、タレス DIS ジャパン 金融事業本部本部長 鈴木信太郎氏が紹介した。タレスは、IC技術を使ったカード製造や発行を行っている。また、デジタルペイメントとして、世界中で使われているApple PayやGoogle PayといったOEM Payに向けてサービスを展開している。さらにデジタルバンキングでは、ID管理・認証サービスを行っている。

タレス DIS ジャパン 金融事業本部本部長 鈴木信太郎氏

具体的には、決済カード、デジタルバンキング、eコマース決済のセキュリティの強化など、コンサルティングも含めて提供している。さらに、交通系チケット、金融機関のデータの暗号化等を実施。顧客のメインは3,000以上の金融機関だが、小売、特にデジタルペイメントでは決済ネットワーク、送金事業者、モノづくりのOEM事業者などにもサービスを提供している。フィジカルなカードはもちろん、デジタルへの移行をサポートできる点が強みとなり、1つの例として香港のオクトパスカードのApple Pay、Samsung Payをサポートしている点を挙げた。

EMVカードやモバイル、ウェアラブル市場の成長は?
ウェアラブルはイベント型から生活密着型へ

このコンテンツは会員限定(有料)となっております。
「Paymentnavi Pro2021」の詳細はこちらのページからご覧下さい。

すでにユーザー登録をされている方はログインをしてください。

関連記事

ペイメントニュース最新情報

ポータブル決済端末、オールインワン決済端末、スマート決済端末、新しい決済端末3製品をリリースしました(飛天ジャパン)

国内最大級のクレジットカード情報データベース(アイティーナビ)

「お金の流れを、もっと円(まる)く」決済ゲートウェイ事業のパイオニアとして、強固なシステムでキャッシュレス決済を次のステップへと推進します。(ネットスターズ)

国内最大級の導入実績を誇る決済代行事業者(GMOペイメントゲートウェイ)

決済シーンにdelight(ワクワク感)を!PCI P2PE 認定国内実績 No.1の「確かな信頼」を提供します(ルミーズ)
電子マネー、クレジット、QR・バーコード、共通ポイントなど、多数のキャッシュレス決済サービスをワンストップで提供(トランザクション・メディア・ネットワークス)
決済領域を起点に多様なビジネスニーズに応える各種ソリューションを提供(インフキュリオン)
ReD ShieldやSift等の不正検知サービスを提供し、お客様の不正対策を支援(スクデット)
BtoCもBtoBも。クレジットカード決済を導入するならSBIグループのゼウスへ。豊富な実績と高セキュリティなシステムで貴社をサポートいたします。(ゼウス)
TOPPANの決済ソリューションをご紹介(TOPPANデジタル)
多様な業界のニーズに対応した、さまざまなキャッシュレス・決済関連サービスを提供する総合決済プロバイダー(DGフィナンシャルテクノロジー)
決済業務の完全自動化を実現する「Appian」とクレジット基幹プラットフォームを合わせてご紹介!(エクサ)
チャージバック保証、不正検知・認証システムなどクレジットカード不正対策ソリューションを提供(アクル)

非対面業界唯一!!カード会社とダイレクト接続により、安心・安全・スピーディーで質の高い決済インフラサービスを提供。Eコマースの健全な発展に貢献する決済代行事業者(ソニーペイメントサービス)

stera terminalでお店のポイントがつけられる「VALUE GATE」(トリニティ)

Spayd スマートフォン、タブレットがクレジット決済端末に!(ネットムーブ)

DNPキャッシュレス 決済プラットフォームをご紹介(大日本印刷)

PAGE TOP