三井住友カードとSB C&Sが開発したIoTクレジットカード「三井住友カード Tile」の強みとは?

2021年12月20日7:00

三井住友カードとSB C&Sは、2021年12月16日に記者説明会を開始し、電子機器である探し物トラッカー「Tile(タイル)」機能を搭載したVisaカード「三井住友カード Tile」の募集を1,500枚限定で行うと発表した。1,500件を超える予約がある場合には抽選となるそうだ。

中央が三井住友カード 常務執行役員 マーケティング本部長 佐々木 丈也氏、右がSB C&S 取締役 常務執行役員 兼 IoT・サービス事業本部長 瀧 進太郎氏、左がSB C&S CX事業本部 サービスデザイン本部 副本部長 本松晋作氏

0.76ミリに物理的なボタンとスピーカー内蔵
カードが最後に接続した場所をアプリで確認

記者説明会ではまず、三井住友カード 常務執行役員 マーケティング本部長 佐々木 丈也氏が「三井住友カード Tile」商品化の経緯について説明した。

三井住友カードのクレジットカードの利用状況として、新型コロナウィルス感染拡大以降、旅行業などの高単価の決済は落ち込んでいるが、コンビニエンスストアやスーパーマーケットといった日常利用はコロナ禍でも伸長しており、決済件数はコロナ前の1.3倍に伸びているとした。

一方で、2020年12月に消費者庁が公表したキャッシュレスの調査では、クレジットカードの不正利用や紛失・盗難の懸念を抱く人も多い結果となっている。三井住友カードでは、安心・安全の取り組みとして、2020年3月に、クレジットカード決済時に利用者に通知する会員向け利用通知サービス、アプリ上で利用のオン・オフを設定できる「安心利用制限サービス」をリリースしている。さらに、2021年2月にはカードの券面からカード番号をなくした「三井住友カード ナンバーレスカード(NL)」をリリースした。これにより、利用者のクレジットカードが店舗のレジで盗み見をされる心配を解消している。利用者は、アプリでカード番号を確認して利用可能だ。さらに、2021年10月にはEC決済、モバイル決済に特化した「三井住友カード カードレス(CL)」をリリースしている。

そして今回、SB C&Sとの連携によりIoTカードとなる「三井住友カード Tile」をリリースした。「三井住友カード Tile」は搭載したチップのBluetooth通信によりスマートフォンと連携してカードの位置を確認できる。具体的には、カードが最後にBluetooth接続した場所について、アプリの地図上で確認できる。

「三井住友カード Tile」は、カード発行手数料5,500円、年会費初年度無料、次年度以降1,375円となる。初回発行は先行予約期間(2021年12月16日~2022年1月14日)の申し込み後、1,500名の抽選となる。基本的なカード機能は三井住友カードのスタンダードカードと同様だが、ATMや券売機などでの利用はできない。キャッシングも非対応

同カードは、0.76ミリの薄さに物理的なボタンとスピーカーを内蔵し、スマートフォンのアプリからクレジットカードを鳴らすことが可能だ。また、カードを財布に入れていれば、財布ごと見つけることもできる。さらに、カードのボタンを押すと、スマートフォンを鳴らすことができ、スマートフォンが見当たらない場合も便利に利用できるとした。

佐々木氏は、同カードの技術的な革新点は、「その薄さにあります」と話す。一般的なトラッカー製品は、1.5~2.5mmほどだが、クレジットカードと同じ0.76ミリのカードサイズを実現している。通常の決済端末の磁気や接触、非接触決済として「Visaのタッチ決済」が利用できる。

タイル社は忘れ物防止タグのパイオニア的な存在
安心・安全なキャッシュレス実現にマストな商品を自負

続いて、IoT事業を担当するSB C&S 取締役 常務執行役員 兼 IoT・サービス事業本部長 瀧 進太郎氏がSB C&Sが同製品を開発した経緯やTile Inc.(タイル社)について紹介した。

SB C&Sは、ICT商材、ソフトウェア、ハードウェア、サービスなどの事業を展開している。近年では、ディストリビューションの枠を超え、一から製品を企画、開発、製造するメーカー的な役割も担う。ディストリビューターとメーカーの事業展開の両方を集結することで、米国タイル社とのビジネスが展開されているそうだ。

タイル社は、スマートトラッカー(忘れ物防止タグ)プロダクトのパイオニア的な位置づけであり、今まで195か国で、4,000万個以上の製造実績がある。また、さまざまなデバイスや商品に組み込まれている。Tileのベーシックな機能として、「音を鳴らして場所を知らせる」「スマートフォンを見つける」「最後に検知した場所を記録」という特徴がある。2021年10月にはユーザーの異なる活用シーンを想定してさまざまな形状をリリースしており、日々機能も進化しているそうだ。特にプレミアムな機能としては、「ご家族で共有できるだけではなく、リアルタイムに重要なものを忘れたときも、リアルタイムにアラートしてくれる。さらには、万が一落としてしまったものが移動してしまっても、その履歴を追うことができます」と瀧氏は説明する。

付属の専用充電器でフルに充電した場合、最長半年間の利用が可能。万が一充電が切れてもクレジット機能は利用できる

ソフトバンクグループはタイル社に出資しており、メーカーとして国内で独占的な展開を行っている。企画・製造した商品の販売に加え、公共の交通機関と連携、マーケティングプロモーションを実施。「三井住友カード Tile」は、安心・安全なキャッシュレス社会の実現に向けて、「マストな商品を出せた」と瀧氏は成果を述べる。耐久性、継続性、電池の持ち、インターナショナルのVisaブランドの承認など、険しい道のりの取り組みとなったが、難局を乗り越え製品化に至った。特にブランド認定は険しいハードルだった。

電池の充放電の可能回数は?
1年保証期間だが、カード期限内の5年の利用も可能に

続いて、SB C&S CX事業本部 サービスデザイン本部 副本部長 本松晋作氏が製品開発の経緯について紹介した。「三井住友カード Tile」は、繰り返し充電が可能だ。何回も充電しなくていいように、省電力設計の工夫も実施。 新開発のEMVチップは充電端子も兼ねており、 付属の専用充電器でフルに充電した場合、最長半年間の利用が可能だ。さらに、折り曲げの強さ、屈曲に対する耐久性が必要となるが、1,000回以上の屈曲テストに耐えて製品化している。

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