2022年7月22日8:50
アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.は、2022年7月21日、企業間支出のトレンドを分析した「グローバルビジネス支出指標(GBSI)」の最新版を公開した。
同調査結果によると、従業員250名未満の日本の中小企業の大半が、今後も支出額を維持・増加を見込んでおり、テクノロジー投資に前向きであることが明らかとなった。また、世界的な経済情勢から、今後のビジネスに対して悲観的な見方が強まっているものの、その中でも収益性の向上を支えるため、キャッシュフローと運転資金管理の重要性が高まっているほか、支払い処理の自動化に関しても意欲的であることが判明したという。
GBSIは、アメリカン・エキスプレスとCentre for Business and Economic Research(イギリス;CBER)が共同で半年に1度行っているグローバル調査で、イギリス、オーストラリア、カナダ、日本、メキシコ、米国のあらゆる規模・業種の企業3,600社以上を対象に、世界経済および地域経済における企業間支出の重要性を探ることを目的としている。日本では、501名の意思決定者を対象に調査を実施した。
同調査結果によると、 国内企業の35%が今後6カ月間に支出の増加を予定していることが明らかとなった。中小企業に絞ってみると、半数以上(59%)が「過去半年間と同水準の支出を維持する」、29%が「今後半年間に支出を増加する」と回答し、合計で88%が継続的な支出に前向きであることが判明した。
今後、中小企業が支出を増やす分野として多く挙げられたのは、設備投資(44%)、材料費(45%)、テクノロジー(41%)となった。テクノロジーについては、「支出を減らす」と回答した割合も低く(9%)、投資増加の背景として、品質向上への期待(62%)、生産性の向上(50%)、顧客からの期待に応えるため(43%)という声が寄せられた。
さらに、2021年の調査結果と比較すると、中小企業の約半数(47%)が、「コロナ禍の影響により、テクノロジーに投資する必要がある」と回答している。対象国6か国のグローバル平均では、テクノロジーに投資する理由として、生産性の向上(48%)が最も多く、品質向上への期待(44%)、顧客からの期待に応えるため(35%)と続く。
日本の中小企業のビジネスに大きな影響を与えている項目として、コロナ禍(53%)が多く挙げられたほか、インフレやコスト高騰(42%)など、グローバル経済全体で長期継続が見込まれる不安要素が挙げられている。今後12カ月にわたるビジネスの見通しは、悲観的な見方をする回答(44%)が、楽観視な見方をする回答(20%)の倍以上となった。
長期的なビジネス成功のために、今後6カ月間で注力する領域としては、「収益性の向上」(37%)、「顧客ニーズへの対応強化」(30%)に続いて、「競争力の維持」(27%)、「コスト削減」(26%)ともっとも注力する領域が分散されている。また、「過去12カ月間で、キャッシュフローと運転資金管理の重要性が増している」と答える中小企業が約半数(49%)を占めている。
今回の調査では、グローバル主要5か国と比較して、日本企業では支払い処理自動化の採用が遅れていることが明らかとなった。請求書の自動作成やデータ入力など、顧客からの入金に関して自動化を採用している国内企業は68%(中小企業では62%)、サプライヤーへの支払い処理に自動化を活用している企業は66%(中小企業では59%)となった一方で、グローバルでは、それぞれ78%、75%にのぼっている。
支払い処理をほぼ全て自動化した日本の中小企業のうちでは、「人為的ミスの減少」(50%)や、 「効率性の向上」(44%)がメリットとして挙げられており、それに伴い、入金(42%)、 出金(39%)の両面でさらなる自動化に意欲的な回答が寄せられた。
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ペイメントナビ編集部
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