巧妙化するクレジットカード不正利用等に対応する第三世代の不正検知サービス「Forter」とは?

2022年10月11日8:00

機械学習を用いた不正対策プラットフォームを手掛ける米国・Forter(フォーター)は、リアルタイムにクレジットカード等の不正行為を検知するソリューションを提供している。独自の機械学習によるチャージバックなどの損失低減、正規ユーザーへの誤検知を改善することでeコマースサイトの売上アップにつなげているそうだ。同社の取り組みと海外でのEMV 3Dセキュアの状況などについて話を聞いた。

左からForter 共同創業者 兼 CEO Michael Reitblat(マイケル・ライトブラット)氏、日本担当カントリーマネージャー 野田陽介氏

第三世代の不正検知サービス
正規ユーザーと不正者を高精度で判定

Forterは信頼をベースにビジネスに取り組んでいるという。コマースの商取引全体は信頼をベースに成り立っているが、「現在はEC環境が広がれば広がるほど信頼が失墜してしまいます」とForter 共同創業者 兼 CEO Michael Reitblat(マイケル・ライトブラット)氏は説明する。

例えば、クレジットカード情報の盗難など、グローバルでは320億ドルの損失が発生した。eコマースでビジネスを行う企業等は不正対策のエキスパートになる必要があり、各社で専門のチームを立ち上げて、独自のルールを使いながら真正な取引かを判断をする必要がある。また、誤判定による収益損失はグローバルで4,430億ドルが生まれたという。eコマース事業者はさまざまな制約を課すことにより、不正のダメージよりも収益の損失が起こっている。

Forterは9年前に創業したが、マイケル氏は25年にわたりイスラエルのサイバーセキュリティ企業などで攻撃者を止める専門的な仕事を行っていた。2014年に初めて製品を投入した時のモニタリング総額は9,500万ドルだったが、2021年は2,500億ドルまで伸び、直近12カ月は3,000億ドル相当までモニタリングした。現在、社員は500名。すでに11か国でビジネスを立ち上げ、1年前に日本でもオフィスを開設している。

セコイア、ベッセマー・ベンチャー・パートナーズ、タイガー・グローバル・マネジメント、セールスフォース・ベンチャーズを含む有力ベンチャーキャピタルから5億ドル(約550億円)以上の資本を調達している。

マイケル氏は「Forterは第三世代の不正検知サービスです」と話す。20年前にルールベースの不正検知システムが登場し、その後スコアリングをベースとした製品も広まった。マイケル氏は「意思決定に関しては自動化した処理が可能です。また、加盟店側でルールやスコアに基づいて調整しなくても済みます。Forterで出す判定は、承認率を高めたい、リスクを取りたくないといったように、加盟店のビジネス上の成果に合わせることができます」と特徴を述べる。

不正検知サービス「Forter(フォーター)」。クレジットカードの不正だけではなくアカウント乗っ取りや転売対策にも活用可能

すべてのコンポーネントを自社で構築
約12億人のアイデンティティを蓄積

Forterでは、すべてのコンポーネントを自社で構築している。例えば、人物や端末などの識別、ネットワークの分析、VPNやIPアドレスが隠れていないかもチェックしている。トランザクション情報としては、カード番号、住所、eメール、電話などの情報を収集。これらをForterのグローバルネットワークで判定可能だ。また、バイオメトリクスをもとにした振る舞い分析をすることもできる。例えば、携帯端末をどう持っているか、ブラウザでどういうタイプの打ち方をしているのかも含めて判定できるとした。マイケル氏は「トランザクション当たり、約6,000データポイントを集めている状況です。すべての仕組みを1システムで作っていますのでスピード感も早く、精度も高くなります」と自信を見せる。

さらに、ルールやAIに対してデータポイントを生成することに加え、約12億件の情報を持っており、特定の新しいトランザクションが発生した場合、そのプロファイルと見比べながらトランザクションが信頼に値するのかを判断する。Forter 日本担当カントリーマネージャー 野田陽介氏は「カスタマープロファイルを統合して、俯瞰的に見て、その裏にいる人間を抽象化します。約12億人のアイデンティティを蓄積しており、機械学習を行っています」と補足する。

マイケル氏によると、同社と類似のサービスを提供する企業は2~3社あるが、最も早く提供した会社であり、また、3~4倍の規模があることが強みだとした。

具体的な実績として、Forterの導入前後では不正率が50%、誤判定が70%減ったというデータがある。また、受入率は99%、不正は10ポイント下げることができたという。これはあくまでも平均値で、国によってばらつきはあるが、オンライン取引を監視し、世界中のユーザーを不正から守っている。また、Forterのシステムは100%自動化されており、取引判定は原則OK/NGをリアルタイムで返答し、判定も約0.5秒で実施するとした。

現在、グローバル大手の300~400社程と取引がある。アメリカ、ヨーロッパ、中国に加え、日本でもスニーカーショップのアトモスなどで採用実績がある。野田氏は「日本はもう少し時間がかかると思っていましたが、いいスタートが切れています。プランの中では家電やトラベル、ゲーム、チケットが注力する商材と考えていましたが、アパレル、コスメ業界の問合せが多いです」と成果を述べる。また、グローバルなデータカバー率は253カ国となるため、国内企業が海外で展開する際にも活用できるとした。なお、NPO団体には無償で製品を利用してもらっている。

国内でも注目が高まる「EMV 3Dセキュア」
海外では効果の一方で課題も生まれる?

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