2022年10月18日17:30
ジェーシービー(JCB)は、クレジットカードにおける不正取引情報をカード発行会社、 加盟店とクラウド上でいち早く連携するサービス「MATTE(マッテ)」を2022年10月より導入会社を大幅に拡大し、本格運用を開始した。
2021年通年のクレジットカード不正利用被害額は、統計を取り始めた1997年以来、過去最悪となる330億円となり、今年は半年間で約206億円と、年間400億円ペースで推移している。また、経済産業省も「クレジットカードシステムのセキュリティ対策の更なる強化に向けた方向性(クレジット・セキュリティ対策ビジョン 2025)」を公表のうえ官民一体となった取組み強化を宣言し、その中でシステムを共同利用することが有効であることを示唆している。
「MATTE」とは、第三者利用が判明した不正取引について、加盟店・カード発行会社間での配送停止依頼や、不正取引情報をWEBで連携するサービスとなる。2021年9月に特許(特許第6940546号)を取得し、試行運用を経て2022年10月より本格運用を開始した。
従来のJCBを介した電話による情報連携から、クラウド環境下でのデータによる情報連携が可能となり、スピーディな対応による被害圧縮効果の拡大や、簡易的なオペレーションによる大幅な業務効率化を実現するそうだ。
本格運用開始に伴い、多くのJCBブランドカード発行会社に「MATTE」を導入してもらい、2022年10月時点では配送停止依頼全体の約8割において「MATTE」を利用した情報連携が可能となった。
今後は、導入加盟店の拡大に向けた積極推進を行い、「MATTE」を通してカード発行会社と加盟店が即時に情報連携を行い、被害の未然防止に向けた迅速な対策を取れるような安全・安心なネットワークの構築・拡大を実現していきたいとした。
また、2023年を目標に、ブランドの垣根を越え、より多くの取引情報を「MATTE」にて連携可能にするなどの機能拡大を予定している。「MATTE」を業界共通システムとして各社に提供することで、JCBブランドに加え、カード業界全体における不正対策強化を目指すという。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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