2011年3月11日0:10
クレジットカードによるインターネット決済において、決済代行事業者が絡むトラブルが発生していることを受け、消費者庁では決済代行業者が介在する取引であることや決済代行事業者の名称や連絡先などが、消費者や関係者にとって分かりやすく示されるよう、決済代行事業者について「登録制度」を導入することを固めた。2011年3月10日に庁内で行われた「インターネット消費者取引研究会」で意見を取りまとめた。
具体的には、関係団体において、決済代行事業者の「登録簿」を設ける。決済代行事業者は「登録簿」に、自らの名称、連絡先、個々の請求の際に使用する業者名などを登録することができるようにする。また、「登録簿」を関係団体において公開するとともに、消費者庁などのWebサイトにおいても公開するという。なお、その際に、「登録決済代行事業者が介在する個々の取引の適法性や適正性を保証するものではない」旨を明記する。
登録決済代行事業者は、決済代行サービスを利用する販売業者に対し、当該販売業者の個々の取引において、「決済代行事業者を使っていること」「当該決済代行事業者が『登録簿』に登録されていること」「当該決済代行事業者の名称、連絡先などを分かりやすく表示するよう求めるものとする」という。
仮に上記の表示が適切に履行されていない場合には、登録決済代行事業者の登録を抹消する。
「運営主体としては民間団体にお願いをする予定で、有力な団体の1つとしてモバイル・コンテンツ・フォーラムとお話をしています。そのため、民間による自主的な取り組みによる自主的な登録制度を消費者庁が主導する形になります。基本的に決済代行事業者の登録は、法規制ではなく自由です」(消費者庁)
消費者庁では研究会にオブザーバーとして参加した経済産業省など、関係団体の協力も得つつ、消費者に対する登録制度の周知徹底を図っていきたいとしている。
3月10日で研究会はいったん終了するが、「濃淡はありますが研究会の参加メンバーからは、登録制度に対して反対の意見はなかった」という。
「登録制度は、2011年5月の連休明けにスタートできればいいと考えていますが、遅くとも夏までには開始したい」と消費者庁ではコメントしている。消費者庁には、まだ決済代行事業者からの問い合わせはそれほどないそうだが、同庁としても「今後は各社に対し、周知啓発していきたい」としている。