2023年2月20日9:00
Zホールディングスは、2023年2月17日、都内にて、「ZフィナンシャルとPayPayブランド金融事業」と題した説明会を開催した。5,500万人のユーザー基盤を持つPayPayは、2021年にはグループ内の金融事業者の社名および金融サービス名に相次いで「PayPay」を冠し、ブランド統一を図った。その効果は絶大で、PayPay銀行の個人口座申込数、個人ローン申込数は急拡大し、今も業績は右肩上がりで上昇中。今後はグループ企業間の連携をより密にすることで、一人一人に最適な金融商品を提供できる体制の構築を目指していくという。
盤石なユーザー基盤をもとにマネタイズ戦略を推進
1人1人に最適な金融商品・サービスを
現在、PayPayのユーザー数は5,500万人、ヤフーは5,500万人、LINEは9,200人。これらをID連携した、圧倒的なユーザー基盤を有するZホールディングスグループでは、PayPayがマネタイズフェーズに入ったとの認識のもと、PayPay経済圏を拡大すべく、金融事業に力を入れている。
同グループの金融事業を牽引する中心的役割を担うのは、Zフィナンシャル。組織的にはZホールディングスの直下に位置し、PayPay銀行、PayPay保険サービス、PayPayアセットマネジメントを統括。PayPayと連結したPayPayカードや、PayPay証券も含め、横串でグループ内の金融各社の連携を図り、戦略を推進している。
PayPayのマネタイズ戦略は、3階建ての構造になっている。1階部分は、コード決済のPayPayの決済手数料。PayPayが国内コード決済市場の約3分の2を制覇していることにより、この段階はクリア。今後は2階部分の加盟店サービス、3階部分の金融サービスに注力し、マネタイズを加速させていきたい考えだ。
Zフィナンシャル 執行役員 経営企画部長の小笠原真吾氏は、グループ各社の連携と、データとAIの活用によって、ユーザー一人一人に最適な金融商品・サービスを提供できる体制を構築していくと明言。さまざまな制約を取り払い、これまで金融サービスを十分に利用できなかった層も取り込みつつ、金融包摂を実現する社会を創出していきたいとした。
サービス名を「PayPay」に統一
グループ金融各社がそれぞれの強みを発揮
Zホールディングスグループでは、2021年にブランド戦略を一気に加速。グループ内の金融各社の社名、サービス名を「PayPay」に統一し、ブランドの市場への浸透を図ってきた。
その効果として、たとえばPayPay銀行(旧・ジャパンネット銀行)では、個人口座申込数が社名変更直後に6.5倍に増加。以後も右肩上がりで増加し、2021年度には600万口座を達成している。個人ローン申込数は、社名変更後に約3倍に急増し、現在約52万件。決済件数も2年で1.6倍に成長し、2021年度は3億9,000万件、2022年度は4億5,000万件に達しているという。預金残高は2年で5,000億円増加し、現在は1兆5,800億円に上る。
PayPay保険サービスでは、PayPayアプリ上で簡単に保険に加入できる「あんしんドライブ」「あんしん海外旅行」などの「PayPayほけん(1dayほけん)」を10種類用意し、提供している。また、ヤフーで買い物や旅行の予約をした人に「シナリオ保険」をオファー。たとえば「Yahoo!ショッピング」で家電製品を購入する人には「あんしん修理保険」への加入を推奨。カート画面で保険プランを選択できる設計にし、申込を促進している。
PayPay証券は、PayPayアプリからアプローチでき、「PayPayポイント」や「PayPayマネー」を使って気軽に資産運用を試すことができる「ポイント運用」「PayPay資産運用」と、独自のアプリ「PayPay証券アプリ」を提供。PayPayユーザー5,500万人が、それぞれの状況・知識・経験に見合った資産運用をスタートできるよう、メニューを取り揃えている。
PayPayアセットマネジメントは、PayPayブランド唯一の資産運用会社。販売会社を通して預かったお客様の資産を運用し、そのフィーを徴収している。2022年8月にAMOとの資本・業務提携を結び、2024年にはNISAの制度改正があるというさまざまな局面を迎える中で、若年層をはじめとする投資未経験者の積極的な取り込みを図る。
PayPayポイントの外販も進める
ポイントの発行数が上昇した要因は?
PayPay経済圏は順調に拡大しているようだ。「モバイル市場年鑑2023」によると、アプリダウンロード数ランキングで、PayPayは民間企業が提供するアプリの1位を獲得。一般社団法人キャッシュレス推進協議会のコード決済利用動向調査結果などをもとに算出した数値では、2021年度の国内コード決済におけるPayPayの決済取扱高シェアは67%、決済回数のシェアは65%。スマホ決済における個人間送金回数のシェアは87%に上る。
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