2024年春、「青と黄色のVポイント」始まる アクティブユーザー8,600万人、国内750万店でポイントが貯まる・使える

2023年6月15日8:00

2023年4月に資本・業務提携の契約を締結した三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)とカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCCグループ)およびCCCMKホールディングスが、2023年6月13日に都内で行われた記者会見で、2024年春にスタート予定の新ポイントのアウトラインを発表した。アクティブユーザー7,000万人を擁する「Tポイント」と、国内750万店、海外を合わせれば優に1億店のVisa加盟店で使える「Vポイント」が統合されることで、日本最大規模のポイントサービスが誕生する。ポイントと決済、金融と非金融、対面と非対面と、さまざまな切り口で異なる強みを有する2社が手を組むことによって、利用者の利便性、加盟店への送客力が飛躍的に高まることが期待される。

サインは“V”ポイント。左から、三井住友カード 代表取締役社長 大西 幸彦氏、カルチュア・コンビニエンス・クラブ 代表取締役会長 兼 CEO 増田 宗昭氏、三井住友フィナンシャルグループ 執行役社長グループCEO 太田 純氏、カルチュア・コンビニエンス・クラブ 代表取締役社長 兼 COO/CCCMKホールディングス 代表取締役社長 兼 CEO 髙橋 誉則氏

「T」と「V」が合体し、新「Vポイント」が誕生
利便性・お得感が飛躍的に拡大

2022年10月に基本合意に達していたCCCグループとSMBCグループの資本・業務提携が、2023年4月、正式に契約締結の運びとなった。日本の共通ポイントのパイオニアで、7,000万ユーザーを擁する「Tポイント」と、日本国内750万店、世界規模では200カ国・1億店で使える「Vポイント」が統合することで、日本最大級のポイントサービスが誕生することになる。

新ポイントのスタートは来年、2024年春。名称は、「青と黄色のVポイント」。国内外、さらには対面か非対面かを問わずどこでも使えるVisaの頭文字である「V」を「Vカード」から引き継ぎ、ロゴの配色は、2003年の開始以来20年間親しまれてきた「Tポイント」のブランドカラーを引き継ぐ。

会見の場では、「Tポイント」の生みの親であるカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 代表取締役会長 兼 CEO 増田 宗昭氏に対して、「Tポイント」の名称が消えることについての思いについての質問が相次いだ。増田氏は、「20年間慣れ親しんでいただいた“T”に愛着はあるが、こだわりはない。われわれがこれから提供しようとする価値を伝えるために相応しい名称は“T”より“V”だと考えた」と回答した。

三井住友フィナンシャルグループ 執行役社長グループCEO 太田 純氏は、今回のCCCとの提携には2つのテーマがあると説明。1つは言うまでもなく、新ポイントの展開。太田氏は、「新ポイントへの切り替えによってポイントを貯める・使える場所が大きく広がりますので、特にTポイントの既存会員にメリットを感じていただけるのではないかと期待しています」と述べた。

2つ目のテーマは金融・非金融を融合したデータビジネスの展開だという。三井住友カードでは、2019年から、自社で蓄積された決済データをもとに、データ分析支援サービス「Custella(カステラ)」を提供している。デジタル化の進展に伴い、事業者にとっての情報やデータの資産価値は高まっており、これをどうマネタイズしていけるかが、サステナブルなビジネスを構築するカギとなる。今回の提携を機に、同社では自社が保有する金融・決済データと、CCCが持つ非金融の商品単位のデータを組み合わせることによって、事業者に対して、より広範囲で利用価値の高いサービスを提供していきたい考えだ。

ポイントと決済を一体化
金融サービスの利用でもポイントを付与

「青と黄色のVポイント」が利用者にもたらすメリットは大きく3つ。

その1つ目は、Visa加盟店で幅広くポイントが使えるようになることによって、ポイントを使うストレスが解消されること。ポイント大国、日本には、貯める・使える場所が限定されたポイントが数多く存在している。貯まったポイントを使うために特定の店舗で買い物しなければならなかったり、ポイントの有効期限が迫っているために不必要な買い物をしてしまったり。「貯まったポイントに誘導されて、不自由な購買行動を強いられていることもあるのでは?」と三井住友カード 代表取締役社長 大西 幸彦氏は指摘する。

ちなみにVisaの対面取引に占めるタッチ決済の比率は59%。英国、スペイン、シンガポール、台湾、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドは70%以上だ。海外では地下鉄やバスなどの公共交通機関で利用されているケースも多く、日本でも徐々に導入例が増えつつある。そういった背景の中、日本でのVisa対面取引におけるタッチ決済比率は急激な広がりを見せ、現時点では2割近くまで増加している。新しい「青と黄色のVポイント」は、近い将来にスタンダードになるであろうタッチ決済にも対応できる便利な決済ツールなのだ。

メリットの2つ目は、キャッシュレス決済に対応し、三井住友カードをはじめ、口座、クレジット、デビット、ポイント、証券、保険までまとめて管理できるアプリ、Oliveの利用でさらにお得に利用できること。Tポイント会員は、今まで通り加盟店でポイントが貯まるほか、SMBCグループのキャッシュレス決済や金融サービスの利用でもポイントが貯められるようになる。例えば、Oliveを使って三井住友銀行で給与を受け取ると、年間2,400ポイントが貯まる。三井住友カードでモバイルのタッチ決済を利用すれば7%のポイントを還元。SBI証券でのカード投信積立では、毎月の積立額の最大5%を還元。該当の保険商品の利用でも、保険料の1%が還元される。

加えて「青と黄色のVポイント」では、三井住友カードを利用することでさらにお得・便利なサービスを提供予定。例えばポイント加盟店でタッチ決済を利用した場合、通常加盟店で0.5%、カードで0.5%、合わせて1%還元のところを、特定の条件を満たせば還元率を0.5~1%上乗せした1.5~2%を還元。また、買い物の際にポイントカードを忘れたり、その場でポイントアプリがうまく開かなかったような場合でも、あとからアプリの操作でポイントを付けられる「あとたま」サービスの提供を予定している。

3つ目のメリットは、ポイントとキャッシュレス決済を1つのアプリで、ワンオペレーションで行えるようになり、煩わしさが解消される。また、ポイント残高に、カードや口座からチャージした金額をプラスして世界中のVisa加盟店で決済アプリとして利用することができるため、ポイントを無駄なく使い切ることができる。「究極的にシンプルな、自由度の高いキャッシュレスライフを支援するツールになると思います」と大西氏は胸を張る。

Vポイント同士の送金も可能。また、親から子にポイントや残高を送って、子がVisaで買い物をしたりポイントを貯めたりすることができるサービスも提供する予定だ。

日本最大規模のポイントサービスを自負
マーケティングに活用できるデータの厚みが倍増
個人情報保護には万全の施策を準備

一方、「青と黄色のVポイント」が加盟店にもたらすメリットも、大きく3つある。

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