2023年9月7日8:00
JR東日本グループの共通ポイントとして2016年に誕生した「JRE POINT」は、グループ内に林立していたポイントプログラムの統合を進め、1,400万人超の会員基盤を確立。10月には獲得ポイント数に応じたステージ制を導入してさらなる利用拡大を図る。現状と今後について担当者に話を聞いた。
鉄道の利用でもポイントが貯まる
商業施設中心から鉄道利用へと拡大
JR東日本では、グループ内の共通ポイントとして、2016年にJRE POINTをスタート。JR各駅周辺に立地する商業施設が個別に運営していたポイントプラグラムをJRE POINTに一本化する動きと並行して、2017年には「Suicaポイントクラブ」を、2018年にはビューカードの「ビューサンクスポイント」をJRE POINTに共通化した。
2019年10月にはSuicaでの鉄道利用によるポイント付与がスタート。「それまで対象が商業施設中心だったJRE POINTを、鉄道利用という移動サービスにも拡大したということであり、ここが大きな転換点になりました」とJR東日本 マーケティング本部 戦略・プラットフォーム部門 決済・認証ユニット マネージャー 河野裕史氏 は振り返る。さらに2021年には「えきねっとポイント」を共通化。2023年7月現在の会員数は約1,417万人。今年度末までの会員数の目標は約1,500万人だ。
JRE POINTは主に、所有するビューカードやSuicaの情報を登録することで様々なサービスの利用により貯まるポイントをまとめることが可能になる。現在ビューカードの有効会員数は約560万人(2023年7月末時点)。ビューカード会員は全てJRE POINT会員となる。
Suicaを登録している会員数が増加
グループ内での横断利用を目指す
ここ数年、特に増えているのは、モバイルSuicaを含めたSuicaを登録している会員。普段の鉄道利用でJRE POINTが付与されるようになったことが大きな理由だが、加えて、経済産業省主導によるキャッシュレス・消費者還元事業、総務省主導によるマイナポイント事業に参画してSuica登録の促進を図ったことが功を奏したものと同社は見ている。ちなみにJRE POINTに登録が可能なのは記名式のSuicaのみで、無記名式のSuicaは対象外だ。
JR東日本では、バーコードでポイントが貯まり・使える「JRE POINT アプリ」もリリース。地下やビル内など通信環境が悪い環境であってもオフラインでのポイント付与を可能としており、LINEマイカードでのバーコード表示機能とあわせ、モバイル端末をメインで活用している会員のニーズに応える考えだ。
現在のところ、商業施設で貯めたポイントは商業施設での買い物に使われ、Suicaで貯めたポイントはSuicaにチャージされる傾向があることは否めない。せっかくの共通ポイントを、グループ内で横断的に貯めたり使ったりしてもらえるようにすることが、次なる目標だ。
キャンペーンやステージ制を展開
グループ内を横断した利用を促進
利用促進策として同社では、月末の金土日の3日間にグループの商業施設で5,000円以上(税抜き)の買い物をすると300ポイント、クレジットカード「JRE CARD」で支払えばプラス200ポイントの500ポイントを付与する「月末ごほうびキャンペーン」を継続して展開中。「継続して実施してきたことから、毎月これを楽しみに買い物に来てくださるお客さまがたくさんいらっしゃいます」(河野氏)。ほかに各商業施設が独自に企画しているキャンペーンもある。同社は、Suicaを登録して入会した会員にこういったキャンペーンを積極的に案内する、あるいは新たに商業施設と鉄道を組み合わせたキャンペーンを実施することでさらなるサービスを横断した利用拡大を図っていきたいとしている。
現状は日常の鉄道乗車でポイントが付与されるようになったこともあり、商業施設でのポイント利用は以前よりも伸びている。また、グループ店舗において、JRE POINTに登録しているSuicaで決済する人はそれ以外の人よりもSuicaの利用額が多いという。
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