クオカード、「QUOカード」と「QUOカードPay」の両輪でギフトサービスを展開

2023年11月8日8:00

全国共通のプリペイドカード「QUOカード(クオ・カード)」、スマートフォンで使えるデジタルギフト「QUOカードPay(クオ・カード ペイ)」を展開するクオカードは、紙(カードタイプ)とデジタルの両輪でギフトサービスを展開している。QUOカードは法人プロモーションで継続して活用されており、QUOカードPayはデジタルギフトとして法人や自治体の導入が増加し、加盟店も拡大しているそうだ。

クオカード 事業推進室長 兼 ギフト営業部長 大谷優氏

セブン-イレブンでQUOカードPayが利用可能に
デジタルギフトの採用増加

QUOカードはこれまで約35年間親しまれてきたプリペイドカードだ。クオカードではその安心感と信頼感をベースにデジタルギフトのQUOカードPayを2019年3月に開始した(関連記事)。現在、QUOカードPayが利用できる加盟店は、コンビニを含め多彩なジャンルで拡大している。クオカード 事業推進室長 兼 ギフト営業部長 大谷優氏は「2023年7月にセブン-イレブンでご利用いただけるようになり、QUOカードの店舗数(約6万店舗)を超えました。また、西松屋、アカチャンホンポや家電量販店の加盟もあり、幅広い層で利用しやすい加盟店網が構築できています」と話す。

QUOカードPayのサービス開始当初はキャンペーン需要をメインに営業していたが、加盟店の伸びとともに福利厚生、インセンティブなど利用用途が増加した。現状、QUOカードPayは法人での活用が中心だが、個人のプレゼント利用も伸びている。

QUO カード Pay の公式イメージキャラクター『クオとペイ』

コロナ禍の中、QUOカードPayとQUOカードは大阪府の「大阪府新型コロナウイルス助け合い基金」で配布された。また、QUOカードPayは、東京都の「東京都出産・子育て応援事業~赤ちゃんファースト~」でも採用されるなど、子育て支援での導入も増えている。さらに、企業の福利厚生や従業員インセンティブでの活用も目立つ。

企業がプロモーションを展開する際に広告代理店から提案を受けるが、その選択肢の1つとしてQUOカードPayも名前が挙がるケースが増えた。「QUOカードのブランドがある点、無色透明でどこの企業色もない点、また、個人情報やアプリを登録しなくてもブラウザで使える点などが受けています」(大谷氏)。企業にとっては、デジタルプロモーションを展開する際の問い合わせ対応も簡素化できるとした。

子育て支援事業など自治体での活用もさらに見込めると考えている。例えば「東京都出産・子育て応援事業~赤ちゃんファースト~」では、子育て商品販売店など特定の加盟店でしか利用できないように制限をかけている。政府も少子化対策として、子育て支援に力を入れており、子育て世代に対する交付が継続されると考えている。子育て支援事業で電子クーポンを推奨する理由は、遊興費など子育て支援以外で使われたり、貯蓄に回されてしまう懸念があるからだ。そのため、ベビー用品店、ドラッグストア、本屋など利用先を限定できるQUOカードPayは需要があるとした。また、従来の紙タイプの商品券はかさばり、お釣りも出ないことに加え、自治体の業務負荷も高まるため、紙の郵送が不要なデジタルタイプのQUOカードPayはその課題を解決できるとした。

他に自治体関連では、物価高騰による生活支援として、静岡県長泉町では69歳以下、大阪府は18歳以下に汎用的なQUOカードPayが採用されている。

QUOカードも継続して根強いニーズ
カードとデジタル2つの商材で企業の選択肢も広がる

QUOカードPayの成長に加え、QUOカードの発行も根強いニーズがある。大谷氏は「QUOカードは、エコ家電のポイントやコロナ禍、マイナンバー施策など、時期や季節的な要素はありますが、相対的にみてまだ伸びています。弊社ではカードの良さ、デジタルの良さを生かし、QUOカードとQUOカードPayを両輪で伸ばしています。2つの商材を提供することで、企業の選択肢も広がっています」と説明する。例えば、飲料メーカーなどでは紙からデジタルへの移行はみられるが、ゴルフのホールインワン記念などの市場ではQUOカードの需要は拡大しており、住宅展示場なども継続した引き合いがある。また、QUOカードPayを活用している自治体なども、スマホ未利用者にQUOカードを併用しているケースもある。

QUOスマイル(500円券)

大谷氏は「QUOカードとQUOカードPayそれぞれの特徴にフィットした活用用途があり、慣れ親しんでいる商品を無理やりデジタルに置き換える必要はありません」と話す。紙(カードタイプ)としてのQUOカードの良さをこれからも生かしていきたいとした。

QUOカードPayは幅広い金額帯で利用
ブラウザ版で多言語対応

QUOカード利用者の傾向として、コンビニエンスストアや書店での利用が多いため、500~1,000円が決済のボリュームゾーンとなっている。QUOカードPayはその金額帯の利用も多いが、より幅広い単価での利用が目立つ。また、1万円などの高額帯の券面では家電量販店やドラッグストアなどの利用も多い。

QUOカードPayでは、ブラウザでの利用に加え、スマートフォンアプリでの利用も可能だ。アプリは数百万ユーザーが利用しており、1回で使い切れない金額を贈られた人がダウンロードして管理する傾向がある。また、アプリでは企業が展開するキャンペーンを告知しており、興味を持って応募している人もいるそうだ。

新たな取り組みとして、ブラウザ版で多言語対応している。スマートフォンの設定言語に応じて、英語、中国語、韓国語、タイ語、スペイン語など6言語で閲覧可能だ。日本在住者には外国籍の人もいるため、主要な言語に対応し、利便性を高めている。今後はインバウンドの受け入れなどでも需要があれば対応していきたいとした。

スーパーマーケットへの営業強化
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