2011年4月22日8:10
国内最大級のギフトカードモール「うれしーど」を展開
旅やグルメ、観劇、スポーツなどの体験、感動をカードで贈る
米国では、数多くの流通店舗でギフトカードを陳列して販売するギフトカードモールが展開されている。イオンリテールでは、2011年3月から、旅やグルメ、観劇、スポーツなど、数多くのギフトカードを集めた日本最大級のギフトカードモール「うれしーど」を全国のイオン店舗に順次展開している。
パーソナルギフトの需要拡大は
販路やコンテンツの充実が不可欠
イオンリテールでは、2010年11月13日からジャスコ津田沼店で「うれしーど」のトライアルを開始。同年12月8日からは関東地区のジャスコ81店舗に導入し、2011年3月からは順次、全国展開を行っている。
名称のうれしーどは、“贈られてうれしいカード”をSeed(種)に見立て、花が開くようなギフトカードモールを実現する思いを込めた。イオンでは、物販を中心とした事業を展開している。しかし、近年はモノだけでは顧客にニーズに応えられなくなってきているという。ここ数年は、ネット限定商品などのシェア率も上がっており、これをイオンの店舗でどう展開するのか、また店舗の商品とどう融合するのかを考えた時、その架け橋としてギフトカードを使った展開が思いついたそうだ。
「イオンはモノを売っている会社ですが、目に見えないコト商品やデジタルコンテンツなどをクロスさせることにより、真のGMS、何でも買えるGMSとして十人百色と言われているお客様のニーズを満たしていけると考えました」(イオンリテール 営業企画本部 マーケティング部 プロモーショングループ 電子マネーチーム マネージャー 宮本 亨氏)
また、ギフトカードを普及させるためには、いろいろな企業と手を取り合い、市場を形成していくことで、潜在的なニーズを掘り起こしていく必要があったという。イオンでも、うれしーどの開始前から、独自のギフトカード「AEON GIFT CARD」を販売していたが、紙の商品券の5~10%程度しか置き換えができなかったという。
「ハウスカードをやっていて限界を感じたのはギフト市場そのものがBtoB(企業対企業)で成り立っていて、パーソナルな需要は販路やコンテンツを充実させないと市場は形成されないという壁にぶち当たりました」(宮本氏)
3月時点で11社35券種のカードを販売
デジタルコンテンツ以外にもすそ野を広げる
これまで、国内で展開されているギフトカードカードモールはデジタルコンテンツ系のカードが中心だった。その点、うれしーどでは、グルメ、旅、観劇、スポーツなどのカードが陳列されており、3月時点で、カード発行会社11社35券種に及んでいる。
販売するカードもリンベルの「リンベルギフトカード」、日比谷花壇の「Hana Bana Card」、てもみんの「てもみん GIFT CARD DX」、長谷川興産のおそうじ本舗で展開するクリーニングカード、劇団四季の「劇団四季ギフトカード」、HMVジャパンの「HMVギフトカード」、ネクソンの「NEXONポイントカード」、シグナルトークの「Maru-Janギフトカード」、キューエンタテインメントの「エンジェルポイントカード」、ユーシーシーフードサービスシステムズの「PRECIOUS CARD」、メガネトップの「眼鏡市場ギフトカード」に加え、スマートアンドコー ジャポンの「Smartbox」などが陳列されている。カード発行会社にとっては他店舗やリアルでの販売や広告展開に魅力を感じているところが多いそうだ。
「劇団四季ギフトカード」は
2枚同時に購入されることが多い
同社ではギフトカードという媒体を使い、従来のモノだけではなく、コトを組み合わせた新しい販売方法を展開する。
「例えば、母の日の贈り物として、花だけではなく劇団四季のギフトカードを添えて、販売する方法が考えられます。『劇団四季ギフトカード』は9,800円ですが、お一人の方が平均1.7~1.8枚を購入しており、2枚同時に売れることが多いです。これは買われる方が“2人で観劇を楽しんでね”という思いでご購入されていることが想像できます」(宮本氏)
また、母の日や敬老週間に旅行のギフト券を贈り、おそうじ本舗のクリーニングカードを付けて販売することにより、「“お母さんお疲れさまです。2泊3日の旅行を楽しんできてね。その間にクリーニングサービスでお家をきれいにしておきます”といった提案が可能です。こういったことが日常生活の中に浸透し、常態化することで、新しいギフトの市場が形成されます」と宮本氏は期待する。