PtoPはPayPay未利用者3,500万取り込みとキャッシュレス浸透の鍵に?「お年玉くじ」キャンペーンを機に個人間送金を強化

2023年12月25日9:15

PayPayは、「PayPay」のお年玉専用のポチ袋で500円以上のお年玉を送ると、送る側、受け取る側の両方のユーザーに、最大1万円相当の「PayPayポイント」が当たるキャンペーン「お年玉くじ」を2023年12月21日から2024年1月14日まで開催している。PayPayは6,100万人が使うキャッシュレスサービスだが、今回の「お年玉くじ」をきっかけに個人のお金のやり取りをさらに便利にさせ、3,500万人の未利用者を獲得することで、さらなる成長を目指す。

PayPay 執行役員 事業推進統括本部 マーケティング戦略本部 本部長 藤井 博文氏

送る側、受け取る側ともにポイントが当たる
決済番号が抽選対象に

「お年玉くじ」は、お金を送った後に表示される決済番号が後日発表する当選番号と一致すると、1等1万円相当(下5けた)、2等1,000円相当(下3けた)、3等100円相当(下2けた)の「PayPayポイント」が付与される。

当選番号は、2024年1月19日以降にキャンペーンページで発表し、当選者には後日自動的にポイントが付与される。なお、送る側、受け取る側どちらも本人確認していることが参加条件となるが、送った後でもキャンペーン期間中に本人確認が完了していれば、抽選の対象となる。

PayPay 執行役員 事業推進統括本部 マーケティング戦略本部 本部長 藤井 博文氏は「お年玉くじの特徴は決済番号を使っている点」だとした。PayPay利用者がお金を送ると、決済と同様に決済番号を付与している。その番号を後で抽選し、当選番号と合致した時に当選となる。当選時にポイントを付与したきっかけで、送り手と受け手のコミュニケーションが図られることも期待しているという。

PayPayユーザーはスマホ人口の3分の2に
PayPayカード発行は1,000万強

PayPayはユーザー数6,100万となり、スマホ人口が9,600万だとすると、約3分の2の利用まで拡大している。PayPayは昨年7月に「PayPayカード」の発行を行うPayPayカードを子会社化したが、1,000万を超えるところまで有効会員が増えている。また、PayPayとPayPayカードを合わせたGMV(流通取引総額)は昨年度10兆円を超えており、今期もさらなる成長が見込まれている。

個人間のお金のやり取りはPayPayにとっての次のテーマであり、さらに成長を加速させるための鍵となる。「PtoP(ピアトゥピア)はコミュニケーションにあたるネットワーク効果を期待できます」(藤井氏)。例えば、SNSなどはユーザー数を獲得し、飛躍的に広がってくると、多くの人が使うサービスとなるが、PayPayにとってもユーザー間送金がこれにあたるとした。

これまでPayPayでは個人間送金のキャンペーンは積極的に行ってこなかったが、その理由として利用者が少ない間はネットワーク効果が働かなかったからだという。藤井氏は「ユーザー数が6,000万を超えた今からだからこそ、3,000万のユーザーを増やすラストピースになります」と説明する。

個人間送金は、年間で約6兆円の市場があり、回数として6億回、1人あたり年間1万円ほど送っている。PayPayは従来、プロダクトアウト型で、サービスを伸ばしていく状態だったが、そこにマーケティング的な要素を加えていく。

個人間のお金のやり取り6.2億回の約30%
コード決済のシェアは92%に

現状の個人間のお金のやり取りのPayPayのシェアとして、6.2億回のうち30%ほどとなる。現金が5割のシェアを超えているが、「銀行振込のシェアを大きく凌駕しており、キャッシュレスのなかでは強いポジション」(藤井氏)だという。また、コード決済としてのシェアは9割を超えており、ユーザーボリュームが圧倒的な強みとなっている。

利用用途を見ると、生活費、仕送りや小遣いに関してはシェアが伸び切っていないが、飲食代の割り勘などでは現金に匹敵するシェアに育っており、「これを起点に他の分野でも伸ばしていきたい」と藤井氏は話す。現金と比べるとネットワーク効果は弱いが、PayPayが良く使われるのは圧倒的な利便性の高さであるという。

例えば、送り手が事前に現金を準備したり、受け取る側も釣り銭を用意することがない。また、頻繁に会う機会がなかったり、送った後に履歴が残らないなどの現金のマイナス点をカバーすることが可能だ。さらに、1円単位での精算もできるため、割り勘を便利にできる。加えて、取引の履歴が残るメリットも挙げられる。

約1,000万人のPayPay推奨者を活用
定期支払い機能も準備

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