2024年1月26日7:50
1月25日に東京都港区のグランドプリンスホテル新高輪で開催された「楽天新春カンファレンス」は、例年通りの大盛況であった。カンファレンスの冒頭には、楽天グループ 代表取締役会長兼社長 三木谷浩史氏が登壇、講演を行った。三木谷氏は、今年のテーマは「何と言ってもAI」とし、「楽天はAI Empowerment Companyに進化する」と宣言。AIの活用によって「楽天市場」出店者のオペレーション効率、マーケティング効率、クライアント効率の向上をこれまで以上に力強く支援していきたいと語った。
2024年のテーマはAIの活用
グループ内ではすでに成功事例が続出
「楽天新春カンファレンス2024」の大きなテーマは、AI。楽天グループ 代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は、講演の冒頭で「楽天はAI Empowerment Companyに進化する」と宣言。「2024年はその最初の1年になる」と述べた。
AIは、過去のデータを学習し、一定の解を導き出す従来型のAIから、自らが人間と同じように“考え”、新しいものを作り出す生成AIへと進化。その結果、AIは、特定の専門職が利用するものから、あらゆる人がツールとして活用できるものに変容を遂げていると三木谷氏は指摘。
実際すでに楽天グループには、AIを活用した成功事例がいくつもあるという。例えば楽天トラベルでは、AIコンシェルジュが顧客の要望に応えて旅行プランを提案したり、AIが宿泊プランページの作成をサポートしたりしている。楽天ラクマではディープラーニングに基づくレコメンデーションにより、コンバージョン率を30%向上させた事例がある。楽天生命ではバーチャルのコンシェルジュが自然な言語で問い合わせに対応。また楽天モバイルが、最も高いプランでも2,980円と、他社と比較して圧倒的な低料金を実現できているのは、ネットワークの管理・運用に徹底的にAIを活用し、コストを抑制しているからだという。
AIは販売手段だけではなく、会社のあり方、社会のあり方にかかわる大きな革命を引き起こす。それはインターネット以上の大きなインパクトになる可能性があると三木谷氏は見ている。
楽天モバイルユーザーの6割弱が「楽天市場」最も利用
「楽天市場」の売上向上に貢献
楽天グループが携帯市場に参入した理由は、利用料金の高騰に歯止めをかけ、低価格、高品質、無制限ですべての国民が手軽に自由にスマホを楽しめる社会を実現したかったから。携帯電話の料金が上がれば買い物や投資に回せるお金が減る。だから携帯電話の料金は安いほうがいい。楽天モバイルはその流れをつくるための挑戦を仕掛けた。
実際、2020年2月に平均6,755円だった携帯電話の月額料金は、2023年1月には5,073円に低下。全体で約4兆円の物価抑制効果を上げた。これは楽天モバイルの貢献だと三木谷氏は見る。
楽天モバイルはオリコン顧客満足度調査で総合NO.1の評価を得ている。項目別ランキングでは加入手続き、初期設定のしやすさ、料金プラン、利用料金、端末のラインナップで1位を獲得。契約数は600万回線を突破している。楽天モバイルユーザーの58.7%が最も多く利用しているECサイトは、「楽天市場」。楽天モバイルに加入すると、加入前と比較して、「楽天市場」での購入金額が平均で60%、年間で4万3,521円増加する。楽天モバイルの成功が、「楽天市場」の売上向上に直結していると三木谷氏は強調した。
AIを活用して出店者の店舗運営を支援
3つの効率を20%向上させることが当面の目標
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