リンク・プロセシングがPax Japanと連携して国内初SPoC認定のセルフ決済を提供する理由とは?

2024年3月21日8:40

インフキュリオン子会社のリンク・プロセシングは、決済端末ベンダーのPax Japanと協力し、Androidのスマートデバイスなどを活用して消費者のセルフ決済を実現するSPoC(Software-Based PIN Entry on COTS)技術を活用した新サービスの開発を進めている。タブレットなどと連携する小型端末を店舗に導入することで、タブレットを活用して安価に多様な支払い手段によるセルフ決済が可能になるという。

左からリンク・プロセシング プロダクト・プランニンググループ グループマネージャー 加藤康宏氏、取締役 長迫亮氏、Pax Japan 営業マーケティング本部長 弘中督久氏(リテールテックJAPAN2024のPax Japanブースにて)

省スペース・安価に主要決済のセルフオーダーが可能
PCI PTS 6.xに対応したSPoC端末はPAX初

リンク・プロセシングは、プロセシングサービスを中心にサービスを提供している。同社のAnywhereは、加盟店と決済事業者(カード会社等)の接続に必要な決済端末・決済アプリ・決済センターをワンストップで提供可能だ。「当社全体では15万台ほどの端末が稼働しています」(リンク・プロセシング 取締役 長迫亮氏)。同社では複数の決済端末を提供しているが、Pax Japanとは、Androidのモバイルオールインワン端末「Anywhere A9」で連携しており、ユニーなどに端末を提供している。

リンク・プロセシングとPax Japanは、新たな取り組みとしてセルフ決済を実現するSPoC技術を活用した新サービスの「Anywhere D135」を共同開発する。同端末は、67mm×67mmのコンパクトサイズで手のひらに載せることが可能だ。「SPoCの技術を使うことで、決済端末が手のひらサイズの小さいものになって、省スペースでの設置が可能になります」(長迫氏)。従来より端末価格は安価に提供可能で、例えばテーブルオーダーに決済手段を追加するなど、セルフオーダー決済に提案できる。

SPoC端末として国内ではまだリリース例がない、磁気・IC・NFC(タッチ)のインターフェースに対応予定

SPoCとはクレジットカードや電子マネー情報を読み取る専用カードリーダーと、暗証番号などを入力するスマートデバイス上で動くアプリケーションで構成する決済手法だ。SCRP(Secure Card Reader for PIN)でカード番号を読み取ってから、AndroidなどのCOTSデバイス上でPIN入力させる。

Pax Japan 営業マーケティング本部長 弘中督久氏は「SPoCでは、D135という端末、PINを入力するアプリケーション『SafeGuard』、アプリケーションを監視する『WatcherCenter』という3つをリンク・プロセシング様に提供しています」と説明する。今回の仕組みでは、加盟店がAndroidタブレットなどの汎用デバイスを用意し、同社の決済アプリとの連携が必要となる。「我々の調べで、国内の市場で( 磁気・IC・NFC のすべてに対応した)SPoCを提供するのは初となります」(弘中氏)。PAXでは、米国や中東で実験などをしていた実績はあるが、PCI PTS 6.xに対応したSPoC端末として同社初となるそうだ。
※Pax Japan調べ

PIN入力はタブレット上で実施
国内の決済センターで端末のセキュアな運用を監視

D135には、液晶パネルのないタイプと、液晶パネルを搭載したタイプの2種類ある。リンク・プロセシングでは液晶パネル搭載タイプの使用を想定している。液晶パネルでは金額を確認してからPIN入力が可能だ。また、Bluetoothでの通信に加え、USB接続での接続できるバッテリーレスモデルも提供予定だ。

SPoCでは、クレジットカード決済などのPIN入力はタブレット上で行う。弘中氏は「汎用デバイスに暗証番号を入力させて、決済処理を走らせます。ここでEMVのLevel2を取得していますので、リンク・プロセシング様のタブレットにSafeGuardアプリを入れて、活用していただきます」と話す。

市販のタブレットに暗証番号を入れて大丈夫なのか? 加盟店などからそうした心配の声が挙がることが想定されるが、PAXではバックエンドシステムで管理するAttestation&Monitoring(A&M)をWatcherCenterとして提供しており、同ソフトウェアが稼働するセンターの構築・運用をリンク・プロセシングが担っている。同社では日本国内のセンターで常に端末がセキュアな状態で運用が行われているのかを監視する。

なお、PCI SSCが策定したCOTSの規格には、アプリケーションをダウンロードしたCOTSのみで非接触決済に対応する「CPoC」もあり、すでに一部の企業がローンチしている。CPoCでは、専用のハードウェアなくタッチ決済を受け入れられることが強みだが、SPoCを提供する意義はどこにあるのだろうか?

「テーブルオーダーなど広く普及している端末は業務用AndroidタブレットにはNFC機能が付いていないことが多いです。また、付いていても接触ICや磁気に対応できず、決済のすそ野が狭くなります。そうした意味で当面はSPoCが必要であるため、専用デバイスとして提供し、幅広い決済手段に対応いただきます」(長迫氏)

D135は、接触IC、非接触IC、磁気ヘッドを搭載している。Anywhereのセンターは、国際ブランド決済、国内の電子マネー、QRコード決済、J-Debitといった支払いに対応しているが、従来端末同様に国内で利用できる主要な決済に対応する。D135はFeliCa性能検定Mクラスも取得しており、国内の主要電子マネーにも対応できる。

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