2024年5月17日8:00
Squareは、日本でタッチ決済をiPhoneで受け付け可能な「iPhoneのタッチ決済(Tap to Pay on iPhone)」の提供を開始した。同取り組みについて、エグゼクティブ・ディレクターの野村亮輔氏に話を聞いた。
池谷貴
iPhoneを活用したテクノロジー企業の1つ
中小企業のビジネスモデル拡大へ
Squareは2013年にiPhoneが決済端末になる「Squareリーダー」でサービスを開始したが、「皆さんがお使いのiPhoneを軸に支払いが受け付けられるようにすることは、当初ローンチした精神とも非常に合致しています」と野村氏は説明する。日本でいち早く消費者や個人事業主にサービスを届けたいという想いから、Appleと話を重ね、今回の発表に至ったという。
事業者は、iPhoneとiOSアプリ「Square POSレジ」をインストールすると、カード類、Apple Pay、デジタルウォレットといった支払いを受け付けることができる。「ハードウェアそのものがいらなくなり、iPhoneだけでサービスが提供できるようになることは、我々として価値だと思っています」(野村氏)。Squareは、日本市場において初めて「iPhoneのタッチ決済」を導入したテクノロジー企業の1つだという。具体的なAppleとの条件などの中身は非公表だが、「中小企業のビジネスモデルを拡大していくことに集中しています」と野村氏は話す。Squareでは複数のプロダクトを用意しているが、「我々のビジネスにとってもプラスに働きます」と期待した。iPhoneのタッチ決済の開始により、ハードウェアの売上も新しい事業者の獲得にもプラスに働くと見ている。
海外では3カ国でiPhoneのタッチ決済を展開
Androidでは先行して展開
すでにSquareでは、米国、英国、オーストラリアでiPhoneのタッチ決済を展開している。また、日本では先行してAndroidスマホを決済端末にする「Tap to Pay on Android(タップ・トゥ・ペイ・オン・アンドロイド)」を展開してきた実績がある。具体的な利用率は非公表だが、「Androidのサービスもそれなりの数字があります」(野村氏)。Androidの場合、複数のメーカーから端末が販売されているが、iOSはリーダーの位置が把握しやすいため、サービスとしてはよりシームレスなものが構築できると期待している。
例えば、Squareの既存のユーザーに店舗の繁忙期に追加で利用してもらったり、移動サービスを提供する事業者がより簡易に使ってもらうなど、さまざまなユースケースをカバーできる。野村氏は「市場が大きく切り拓けます。利用者が多いiPhoneを利用した決済が登場することで価値提供につながります」と述べる。
タッチ決済に自然と誘導できるUIが強みに
市場環境が厳しくなる中での提供価値とは?
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