2024年6月18日7:00
スルッとKANSAI協議会は、2024年6月17日よりQRコードを活用したデジタル乗車券(以下「QRコード乗車券」)「スルッとQRtto(クルット)」のサービスを開始した。開始時点では大手私鉄など7事業者で利用できるほか、提携する観光施設にも入場できる。同サービスの開発で協力したウェルネットでは、ABT(Account Based Ticketing)認証方式を採用した国最大級の事例であるとした。スルッとKANSAI協議会では、国内外の数多くの人に利用してもらうとともに、関西の鉄道やバス事業者の参加拡大を目指す。
5年の歳月をかけてシステム整備
デジタル活用で環境変化に対応
スルッとKANSAI協議会は、6月17日に阪神電車大阪梅田駅にて「スルッとQRtto」のオープニングセレモニーを開催した。
同セレモニーでは主催者を代表して、スルッとKANSAI協議会会長、大阪市高速電気軌道 (Osaka Metro)常務取締役 堀元治氏が挨拶した。「スルッとQRtto」は、利用者自身のスマートフォンにてQRコード乗車券を購入し、そのままチケットレスで協議会加盟事業者の交通機関を利用できるサービスだ。また、観光施設でもQRコードを読み取り、利用可能だ。ネーミングコンセプトは「QR+くるっとまわる」となり、QRコードを活用して「くるっと関西一円を楽しめる」、「さまざまなところへお出掛けする感覚」を表した。
同サービスはスルッとKANSAI協議会で企画段階から含めると5年の歳月をかけてシステム整備を行ったという。堀氏は「我々にとって悲願であり、この日を迎えられる大変心待ちにしていました」と述べる。
サービス開始時点では、Osaka Metro、大阪シティバス、近畿日本鉄道、京阪電気鉄道、南海電気鉄道、阪急電鉄、阪神電気鉄道で利用可能だ。スルッとKANSAI加盟社局でも企画券を販売しているが、今後同サービスが拡大することを期待している。
スルッとKANSAI協議会では、スルッとQRttoによる「スルッとKANSAI大阪周遊パス」を発売する。「スルッとKANSAI大阪周遊パス」では、阪城天守閣や梅田スカイビル空中庭園展望台など約40カ所の施設に入場できるほか、約30施設や店舗で特典が受けられる。
スルッとKANSAI協議会では、インバウンド向けの鉄道・バス乗り放題チケット「KANSAI THRU PASS(カンサイスルーパス)」、ICカード「PiTaPa」を展開してきたが、昨今ではデジタル化が求められる環境となっている。堀氏は「この環境変化を的確に捉えて、引き続き今後も皆様に喜んでいただけるサービスを展開するように心がけていきます」と意気込みを見せた。
ウェルネットはABT認証の国内初、広範囲の事例を自負
インバウンド利用者に向けた次なる展開も視野に
続いて、システムを運営しているウェルネット 代表取締役社長 宮澤 一洋氏が挨拶した。ウェルネットは、交通事業者向けオールインワンクラウドサービスを提供しており、QR乗車券を購入・表示する専用Webサイト、改札機と連動したQR乗車券の判定システム、駅係員の専用アプリを開発し、システム全体をサポートしている。
このコンテンツは会員限定(有料)となっております。
詳細はこちらのページからご覧下さい。
すでにユーザー登録をされている方はログインをしてください。