2024年8月7日9:00
東急、東急ストア、東急カードは、東急が進める「街づくりDX」の一環として開発した、スマートフォン提示でカードレスにクレジットカード決済ができる「TOKYU CARD スマート払い」(以下、「スマート払い」)を、東急ストアが展開するスーパーマーケット「東急ストア」「プレッセ」で導入しているデジタルサービス「TOKYU POINT CARD on LINE」(以下、「ToL」)に搭載し、2024年7月18日からサービスを開始している。同サービス開始の経緯や機能面の特徴、今後について、東急に説明してもらった。
池谷貴
スムーズなお買い物体験を実現へ
ToLに決済機能を導入
東急グループでは、東急線沿線に住む人を中心としたTOKYU POINT会員基盤(約250万人)を有する。この中には東急カードが発行する「TOKYU CARD」会員も含まれているが、スーパーや百貨店の顧客接点を中心に会員獲得を進めてきたため、中高年層の会員が多い構成となっていた。また、デジタル化の遅れも大きな課題となっている。これらを改善するために、LINE活用をはじめとしたさまざまなデジタル化に取り組んでいる。
東急グループでは、TOKYU POINT会員とのデジタル接点強化を目指し、2022年5月よりデジタルポイントカード「ToL」を東急ストア・プレッセにてリリースした。ToLは、LINE上に提示するバーコードを1スキャンするだけでTOKYU POINTと楽天ポイントを貯めることができ、顧客とレジスタッフ双方において、支払いにおける手間を減らすことを実現した。
「ToLにはQRコード決済のボタンもあるため、これらをお使いのお客様は、お財布いらずでお会計を済ませることができましたが、東急グループのメインのお客様であるTOKYU CARD会員にとっては、バーコードスキャン後に、『クレジットカードをご提示いただいて決済する』というお手間が残ったままとなっていました。これらTOKYU CARD会員の利便性向上と、スムーズなお買い物体験を実現するため、ToLに決済機能を導入し、1回のスキャンで「ポイントを貯める」と「お会計」が可能なスマート払いをリリースすることとなりました」(東急 デジタルプラットフォーム マーケティンググループ)
ToLを「東急ストア」「プレッセ」からスタートされた理由として、2020年9月より同社グループ共通ポイントであるTOKYU POINTに加えて、楽天ポイントの導入が開始されたのが、東急ストアならびにプレッセだった。同マーケティンググループでは「これらの店舗では2つのポイントが、いずれかではなく両方貯まるため、レジオペレーションが複雑になり、従来よりも処理に時間がかかるようになってしまいました。これを解決する目的でToLをスタートさせました」と説明する。
決済とポイント機能の切り替えを容易に
使いやすく、インクルーシブなアプリ体験実現へ
例えば、従来の処理スピードの目安として、セミセルフレジ(商品スキャンは店員、支払い操作は顧客が行うレジ)の場合では、①TOKYU POINT CARDの提示およびスキャン、②楽天ポイントカードの提示およびスキャン、③商品のバーコード読取り(飲料1点)、④精算機にてクレジットカード決済し、レシートを受け取るという①~④で約40秒(同社調べ)の時間がかかっていた。
「TOKYU CARD スマート払い」により、セミセルフレジの場合、①スマホで「スマート払い」を提示(TOKYU POINT・楽天ポイントを貯める、スマート払いによる決済が可能となる)、②商品のバーコード読取り(飲料1点)、③精算機にて「TOKYU CARD スマート払い」のボタンを選択し、レシートを受け取る、という①~③で約13秒(同社調べ)となる。
同マーケティンググループでは「プラスチックカードをレジにてご提示に比べ、1/3程度の時間短縮につながります」と成果を述べる。TOKYU CARDスマート払いの店舗業務効率化として、「ポイント付与」「決済」の2つのオペレーションが、1つにまとまり処理時間を短縮可能となった。これに加え、支払いの回転率を上げることができ、利用者がレジで待つ時間を減らすことができる点、クレジットカードの磁気不良による「読み取りエラー」が発生しない点もメリットだ。
このコンテンツは会員限定(有料)となっております。
詳細はこちらのページからご覧下さい。
すでにユーザー登録をされている方はログインをしてください。