2024年9月4日11:10
ウェブインバウンド・越境EC支援を行う「WorldShopping BIZ(ワールドショッピングビズ)」を展開するジグザグは、EC事業者の海外不正決済被害を防止する「セキュア・ペイメント」を2018年から提供しているが、2024年6月まで累計3万124件(約12億円相当)の海外不正決済被害を未然に防止したと発表した。
昨今の新型コロナウイルスの感染症拡大の対策として、外出自粛の呼びかけ及びEC利用が推奨された結果、世界的に物販系分野の大幅な市場規模拡大につながった。その一方で国内外を問わず、クレジット決済における不正決済のリスクも露見している。
一般社団法人日本クレジット協会の調査によると、2023年のクレジットカード不正利用被害額は過去最高の540.9億円と発表がありました。また、そのうち海外からの被害額も増加傾向にある。クレジットカードが不正利用される原因には、カード所持者によるもの、事業者による情報漏洩などさまざまだ。
EC事業を展開している企業は、不正利用のクレジットカードで決済されていることを知らずに商品を販売・配送した場合、EC事業者(カード加盟店)はチャージバックの取り決めによりカード所有者に代金を返済しなければならず、発送完了後の商品は戻ってこない可能性が高いと言える。また、国内外で不正決済に対するリスク判定サービスは存在するが、リスク判定スコアリング情報の提供を主としており、最終的な決済の承認可否の判定はEC事業者側に委ねられている。
しかし、EC事業者が注文の一件一件をリスク判定するには、膨大な時間・工数を割かなければならない。また、リスク回避のために非承認とした取引が「実は安全な決済だった」など、売り上げの機会損失もあるそうだ。
「セキュア・ペイメント」機能による直近2024年1~6月末までの不正決済の発生を調べたところ、現時点で1,471件(約7,500万円相当)の海外不正決済と思しきアクセスを検知しこれを未然に防止したという。
「セキュア・ペイメント」機能は、商品注文が入った段階で、過去の膨大な取引実績データを元に不正決済かどうか自動判定するという。不正カード利用だと判断した場合はただちに排除するため、不正決済を未然に防ぐことが可能だとしている。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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