2011年6月10日16:12
KDDIは、2011年6月10日開催の取締役会において、ネットワーク型電子マネー「WebMoney」を運営するウェブマネーを同社の完全子会社とすることを目的として、ウェブマネーの発行済普通株式および同新株予約権のすべてを対象として、公開買付けを実施することを決定したと発表した。
KDDIは、2011年1月、ウェブマネーの親会社であるフェイスが、新たなパートナーを検討するために、保有するウェブマネー株式の譲渡を複数の買付候補者に打診したことに始まる入札プロセスに参加。ウェブマネーの事業・財務・法務などに関する資料の精査、経営陣との面談などのデュー・ディリジェンスを実施し、株式の取得について分析、検討を進めてきた。KDDIはフェイスに、買付価格を含む公開買付けに関する条件を提示。フェイスの選考の結果、2011年4月に最終買付者候補者として選定され、その後の交渉を経て諸条件の合意に至ったことから2011年6月10日に同応募契約を締結した。また、KDDIとウェブマネーは同日付で、公開買付賛同契約を締結している。
KDDIではウェブマネーを次世代の統合的な決済プラットフォーム構築のために重要な機能を担うことができる存在であると認識している。ウェブマネーをKDDIの完全子会社とすることにより、統一的かつ迅速な意思決定及び戦略実行を速やかに行うことが可能となると期待する。
KDDIでは、サーバー管理型電子マネーとKDDIのキャリア決済サービスを一体的に提供することにより、WebMoneyのさらなる向上と利用シーンの拡大を図り、インターネットサービスのマーケットにおける地位確立とシェア向上を狙う。
また、KDDIでは、顧客とのタッチポイントとして、全国に約2,500店舗のauショップを運営しているが、auショップでのWebMoneyの販売および販売促進キャンペーンとしての電子マネーの利用により、売上の拡大を図ることができると期待している。
さらにKDDIは、グローバル送金・決済プラットフォーム事業を推進しており、同プラットフォームとWebMoneyを連携することで、電子マネーで入金し、世界各国に対し現金で送金する事業を構築できる可能性があると考えている。
アジア市場においては、オンラインゲームの提供事業者などが独自電子マネーを発行しており、WebMoneyのように汎用性の高い電子マネーのニーズが今後高まると想定。KDDIのコンテンツ事業のアジアへの展開に併せ、同社決済プラットフォームにWebMoneyを組み込むことで、さらなる事業機会の拡大を図る。