2024年10月21日8:00
イオンフィナンシャルサービスとイオン銀行は、イオンゴールドカード会員の条件を、年間利用額100万円から50万円へと引き下げ、多くの会員に保持してもらうことでメインカード化を図っている。ゴールド会員は一般会員と比較して利用頻度、月の利用金額も多い上得意客だ。イオンカード会員のうち、ゴールドカード会員が占める割合は、2023年度末現在で20%であるが、さらなる拡大を目指す。また、自社スマホ決済「AEON Pay(イオンペイ)」へのゴールドカード紐づけによる、決済額の増大にも力を入れている。
ゴールド会員になるハードルを引き下げ
条件を明示して主体的な利用活性化を促進
2023年度末現在、イオン銀行が発行するイオンカードの年間取扱高は7.1兆円。会員数は3,177万人で、そのうち約2割がゴールドカード会員だ。ゴールドカード会員になる条件は、年間のカードショッピング利用額が50万円以上であることなど。以前は100万円を基準としていたハードルを、大幅に引き下げた。条件が満たされると、原則、自動的にゴールドカードが発行される。従来通り、入会金や年会費は無料だ。
一方で、特典も拡大した。一般のカードよりも利用上限額が高い(具体的な額は会員により異なる)、空港のラウンジを無料で利用できる、海外旅行損害保険の補償内容や補償額が手厚いことに加え、ポイント還元率を優遇。イオンネットスーパーやグリーンビーンズのネット注文ではWAON POINTを通常の4~5倍付与する。また、毎月20日・30日にイオンモール専門店での買い物が請求時に5%OFFになるなどの特典もある。
年間50万円ということは、月額換算で4万2,000円弱。イオンやまいばすけっとなどでの日々の食料品・日用品の購入に、毎月の電気・ガス・携帯電話料金などの公共料金の支払いをプラスすれば、多くのカード会員にとって、さほど背伸びをせずに達成できる金額だ。
また以前は、ゴールドカード会員になるために必要な年間利用額は、積極的に告知せず、条件を満たした会員に個別にインビテーションを送って知らせていた。条件変更後は、ゴールドカード会員の特典と、それを享受するために必要な“50万円”という金額を店頭やホームページで広く告知。会員アプリ「イオンウォレット」でも、50万円まであといくらといった達成状況を確認できるようにした。これによって、特典に魅力を感じた一般会員が、主体的に利用を増やすよう促している。
その結果、「ゴールドカード会員数は順調に伸びています」と(執行役員 営業企画本部 本部長 橋本壮一郎氏)は述べる。たとえばこれまで年間利用額が30万~40万円だった会員が、毎月発生する公共料金などをカード払いに設定するケースが多く見られ、メインカード化が進んでいることがうかがえる。この状況を同社では、「年間利用額50万円という設定が妥当だったという裏付けではないか」(営業企画部 部長 皆川陽子氏)と受け止めている。
グループ内外の企業と連携をとって
イオンならではの特典をアピール
カード会員の反応も良好だ。特に、毎月20日・30日に開催されるイオンモールお客さま感謝デー。イオンモール専門店での買い物を、イオンゴールドカード、もしくはイオンゴールドカードが紐づいたスマホ決済「AEON Pay」で支払った場合(チャージ払い・ポイント払いは除く)、請求時に5%OFFが適用される。皆川氏は「前年対比で利用するお客さまが30%増えたり、売上が60%増えたりと、大きな反響をいただいています」と話す。
イオンモールお客さま感謝デーには、同施設がターゲットとしている30~40代のファミリー層が数多く来場。ゴールドカード会員の満足度が向上したのはもちろん、館内に掲示された特典内容を目にしてゴールドカード会員を目指したいと思った一般カード会員や一般の顧客も多かったと見られ、「ゴールド会員ばかりでなく、一般カード会員の数や取扱高も増大しました」と皆川氏は成果を述べる。
イオンカードはVisa、Mastercard、JCBと提携しており、グループ外でも使える店舗・施設は数多い。グループ内利用、グループ外利用ともに伸長しているが、現在では決済額全体に占める割合はグループ外利用のほうが多くなっている。グループ外の企業と個別に連携し、提携先企業が発行するクーポンをゴールドカード会員向けの特典として提供しているケースもあり、会員には好評だ。
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