2024年11月1日8:00
2024年の「Money20/20 USA」の2日目(28日)は、FinTechの幅広いトピックが取り上げられた。会場では、業界の著名人が講演者として登壇している。また、28日から会場の展示がスタートしたが、新サービスのリリースなども行われた。
世界上位金融サービス企業76%がAIイニシアチブ発表
AIファーストな世界における不正との闘いは?
28日の発表として、Money20 / 20はAcrew Capitalと提携し、初の「ALL IN ON AI: Financial Services Adoption Index 2024」を立ち上げた。これは、世界のトップ金融サービス企業221社がどのようにAIを活用してきたかをまとめたものだ。その結果、世界の上位221社の金融サービス企業のうち、76%に当たる167社が2023年1月以降に少なくとも1つのAIイニシアチブを発表していることがわかった。 また、それらの 46% が、顧客対応の主要製品に Generative AI を積極的に採用しており、同技術が業界全体の価値提案を根本的に作り変えつつあるとした。
Google Cloudのアンドレア・ガジェゴ氏、MOSTLY AIのアレクサンドラ・エバート氏、BNYのジェイソン・ロサド氏、Swiftのチャラパシ・ネティ氏によるパネルディスカッションでは、金融業界におけるAIを活用した不正対策に主要な議題となった。プライバシー保護と不正検出の強化を両立させる手段として、構造的に同一で匿名性が保たれた合成データの活用が注目されている。
同ディスカッションでは、不正に効果的に対処するためには、金融機関同士が協力しデータ共有を進めること、そして規制当局の支援が不可欠であると強調した。ユーザーのプライバシーを損なうことなく、AIモデルの精度向上を実現するフェデレーテッドラーニングにも大きな期待が寄せられている。さらに、不正対策は金融業界だけの課題ではなく、業界横断的な連携が必要であるとの認識も共有された。
BNYのプロダクトマネジメントディレクター、ジェイソン・ロサド氏は、「1つの銀行が不正の被害を受けた場合、他の銀行も即座に情報共有されるべきだが、現状では実現していません。データ共有は理論的には簡単ですが、実際には法務、コンプライアンス、リスク管理などの部門が障壁となるケースが多いです」と述べ、情報共有の難しさを指摘した。
Google CloudのグローバルMD、GTMインキュベーションのアンドレア・ガジェゴ氏は、「AIは不正対策だけでなく、金融機関が抱える様々な課題を解決できる可能性を秘めています。顧客との会話を通じて、AIの幅広い応用への期待を感じます」と述べ、AIの多様な可能性に言及した。
MOSTLY AIの最高信頼責任者、アレクサンドラ・エバート氏は、「GenAI合成データは、プライバシーを保護しながら、複数のパートナー間で安全なデータ連携を可能にするため、AIを活用した不正対策システムの構築に大きく貢献します。GenAI合成データは、元のデータと同じ構造とパターンを保持しながら、個人情報を削除した匿名のレプリカを作成できるツールです」と述べ、GenAI合成データの有用性を強調した。
ステーブルコインとトークン化されたお金の未来
会場では数多くのリリースも
Worldpay の支払責任者、ジョン・マクノート氏、Fireblocks の決済およびネットワーク担当 SVP、Ran Goldshtein 氏、Visaの暗号通貨担当グローバル責任者、クイ・シェフィールド氏は、ステーブルコインとトークン化されたお金の未来について議論した。
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