2025年1月6日8:35
LINEヤフーグループのPayPay保険サービスとZフィナンシャルは2024年12月から、「Yahoo!ショッピング」でのファッションアイテム購入時に返品送料を補償する「あんしん返品」保険の提供を始めた。ネットショッピングで購入した商品をユーザーが自己都合で返品する場合、本来であれば有料となる返品送料をカバー。手頃な保険料で返品可能にすることにより購入時の不安を解消し、ストア側の販売機会損失改善につなげる。
記事のポイント!
①120円の保険料で上限2,000円まで補償
②サブスク感覚でお試し購入するユーザーを開拓できる可能性も
③決済時に限って申し込み可能
④「返品送料」は法律でもルール化
⑤「シナリオ保険」の複数商品同時加入が可能に
⑥「購入時の不安解消」と「販売機会損失の改善」のバランスが重要に
■自己都合による返品送料の実費を補償
「あんしん返品」は、「Yahoo!ショッピング」で購入したファッションアイテムを自己都合で返品する際に、ユーザー自身が負担する返品送料の実費を1商品あたり120円の保険料で上限2,000円まで補償する。まずは「Yahoo!ショッピング」に導入し、「ZOZOTOWN Yahoo!店」をはじめ幅広いストアへと広げていく。ユーザー都合による返品時の配送料を補償する保険商品は業界初という。
商品を手に取れないネットショッピングでは、ファッションアイテムを購入してみたものの実物はサイズが合わなかったり、思っていたものと色味やデザイン、イメージが違ったりというケースが多い。これらの理由はすべてユーザーの自己都合となるため、返品には配送料が発生する。
MSプラスワン少額短期保険が実施した「ネットショッピングにおける利用実態調査」によれば、「実際の商品がイメージと違う」「サイズが合うか不安」などの理由から購入をとどまった経験があると、約56%の人が回答。返品する場合、商品の大きさや配送距離によっては送料が1,000円を超える場合も多いため、購入へのためらいや不安につながっている可能性が高いという。返品送料負担により購入へのハードルを下げることで、ユーザーは自宅にいながらにして「試着感覚」でネットショッピングが楽しめるようになるとしている。
ユーザーにとって、返品送料を気にせず「試着感覚」で商品を手軽に注文できることはメリットが大きい。ここ数年はサブスクリプション形式の衣料レンタルサービスが人気で、女性向けだけでなくメンズも含め複数のEC事業者が参入している。こういった市場が広がる中、サブスク感覚でお試し購入するユーザーを開拓できる可能性もある。
■ストア側が返品に合意後、保険金請求手続きへ
「あんしん返品」の申し込みは「Yahoo!ショッピング」の決済画面に必要事項を入力し、商品価格と保険料を決済すれば完了。申し込みは決済時に限られ、その後は加入できない。返品不可の商品や保険加入対象ではない商品の場合は、保険加入画面が表示されない仕組みだ。保険料の支払い方法はPayPayクレジット、PayPay残高等、Yahoo!ウォレットに登録されたクレジットカードのみとなる。
返品には事前にストアとの合意が必須で、商品が未使用であるかなどをストアが確認し、返品受け付けが可能と判断することが大前提だ。そのため、まずはユーザーが返品送料を負担して商品を返品し、ストアから商品代金を返金するとの連絡を受けた後に保険金請求手続きへと進む。
補償期間は30日だが、購入から商品到着までに時間がかかり補償期間後に届いた場合は最大150日延⻑される。保険金は請求手続き完了後、通常1~3営業日で受け取れる。
■法律でも決まっている「返品送料」ルール
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