2025年5月29日8:00
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、新たな金融ブランドである「エムット」を立ち上げた。エムットは、お金を「つかう」機能、ポイントなどが「たまる」機能、資産運用などのお金を「ふやす」機能、相続などのお金を「つなぐ」機能をサポートし、スマートフォン1つで日々の決済もポイントも管理可能だ。また、カード会社の三菱UFJニコスからは、高還元が売りの新ポイントプログラム、モバイル決済アプリ「グローバルポイント Wallet」などが紹介された。

まるっと金融機能提供で接点強化
新コンセプトのデジタルバンク
日本の金融サービスを取り巻く環境は、急速に変化してきている。NISA口座数は2,500万口座を突破。また、キャッシュレス決済比率は4割を超えており、2025年までに4割程度にするという政府目標を前倒しで達成している。お金に対する意識、お金との関わり方は、大きな変化の真っただ中にあるという。MUFG 代表執行役社長 亀澤宏規氏は「そんな変化の大きい時代だからこそ、国内ナンバーワン金融グループとして、すべての方々に分かりやすく、楽しく、生涯にわたってお任せいただけるような、金融サービスを提供していく責務があると考えています」と話す。
なかでも個人向けビジネスにおいては、取り巻く環境が大きく変わる中、人生を支える、つまり、利用者とのつながりをより深め、日常にも人生にも寄り添うことで、さまざまなニーズに柔軟に応えていきたいとしている。
MUFGでは、さまざまな金融機能を有するグループのつながりを強化し、顧客接点を強化するとともに、体験価値向上を目指す。また、利便性の面ではアプリ間のシームレスな連携や、デジタルとリアル店舗のスムーズな連携等を実現させる。利得性は、ポイントや金利手数料等による各種プロモーション、インセンティブ施策によって、お得を感じてもらえるように取り組んでいきたいとした。
MUFGでは、2026年度後半の開業を目指し、全く新しいコンセプトのデジタルバンクを立ち上げるという。これはいわゆるネット専業銀行ではなく、三菱UFJ銀行の店舗網や、金融のプロによるアドバイスを利用できる。デジタルとリアルのいいとこ取りを掲げ、唯一無二の存在を目指す。
このデジタルバンクを支える基盤として、「Google Cloud」の最新技術を活用。ふくおかフィナンシャルグループ傘下で、みんなの銀行の基幹シス
柔軟な基盤を通じ、魅力的な金利手数料水準を実現させ、顧客体験を提供させる。また、1人1人の状況を踏まえた最適な提案を通じて、中長期の資産形成を支えていくサービスを目指す。
デジタルバンクの中核機能の1つは、「ウェルスナビ」と共同開発を行う、お金の悩みを解決する総合アドバイザリー・プラットフォーム「MAP(Money Advisory Platform)」を実装する。
MUFGグループ約6,000万口座の顧客データに加え、日本有数の家計簿アプリ事業者であるマネーツリーを買収し、約650万人の多様なデータとAI技術を活用して、利用者1人1人の状況やライフステージ、ライフイベントに寄り添った最適なアドバイス提案する。
ネット証券領域の強化では、「三菱eスマート証券」および「ウェルスナビ」により、貯蓄から投資ニーズへの対応力を強化。100%子会社としてネット証券とロボアドを有する強みを生かして、スピード感のある戦略を打ち出していく。
3月には、三菱eスマート証券の口座と、三菱UFJ銀行の口座とのの自動入出金サービス「三菱UFJマネーコネクト」をリリース。4月には三菱UFJカードによるクレカ積立をスタートし、ポイント還元を実施している。
さらに、安心して取引できるよう、FIDOの導入により、セキュリティの強化を検討する。
スマホ1つで決済やポイント管理
残高管理からシームレスにQR決済
現在、多くの生活者が金融知識に自信がなく、お金に対して具体的なアクションを取れない状況だという。1人1人の金融サービスや人生をサポートするため、新たなサービスブランドとして「エムット」を立ち上げた。現在から将来までお金のすべてをまるっとサポートするそうだ。亀澤氏は「自然にさまざまな金融サービスに慣れ親しんでいただきたい」とした。
「つかう」「たまる」では、1分で作れるVisaカードで、累計1,200万ダウンロードとなるバンドルカードを挙げた。また、リクルートとMUFGで開発したQR決済サービスであり、25年2月の無料アプリランキングで1位を獲得した「COIN+(コインプラス)」がある。さらに圧倒的にお得に進化を遂げた「三菱UFJカード」がある。利用者の日々の決済を使いやすく、貯まりやすいサービスを支えていく。
「ふやす」では、ロボアドバイザーのウェルスナビに加え、1月に完全子会社化し、社名変更した三菱eスマート証券では、NISAの売買株式売買手数料が無料だ。利用者の資産運用をまるっとサポートするという。
「つなぐ」では、多くの人が経験するのにわからない、難しい、聞きづらいといった悩みを抱える相続を、もっと身近に安心して進めてもらえるよう、「そうぞくガイド」が入り口からサポートする。三菱UFJ信託銀行では、もしもに備える相続サービスを提供する。
三菱UFJ銀行では、2025年6月2日から、イン ターネットバンキング「三菱UFJ銀行アプリ」をリニューアル。同アプリは、1,000万人を超える人に、日常的に利用してもらっているが、このほど銀行のサービスだけでなく、カード、証券、決済など、さまざまな機能を、同アプリからワンストップでアクセスできるように、全面刷新リニューアルするそうだ。執行役常務 リテール・デジタル事業本部長 兼 グループCDTO 山本忠司氏は「エムットの思想である、誰もが使いやすいサービスを目指し、どなたも見やすい、使いやすい、わかりやすいインターフェースに刷新しました」と話す。
ホーム画面のホーム編集機能では「振込・振替」「ペイジー 税金・各種払込」などを表示しているショートカット メニューにおいて、よく利用する機能も追加するなど、自身が使いやすい配列への変更が可能だ。普段使いの中で便利さを体験できる開発を心がけたという。銀行アプリと連携する機能の中に、COIN+がある。COIN+との連携によって、決済がスムーズに利用可能だ。COIN+は、個人間の送金手数料が完全無料だ。また、残高を銀行口座に戻すことも無料だが、リクルートの各種サービスともすでに連携している。さらに、デジタル給与払いとしての認可を受けており、利用者は例えばその日に働いた給与をデジタルで受け取り、会社の帰りに店舗で決済可能だ。
また、ウェルスナビ、バンドルカード、Money Canvas、マネフィットなどともシームレスにつながる。
クレカ決済で最大級還元?グループポイント共通化
Ponta連携や即時決済カード等の見解は?
三菱UFJニコス 代表取締役社長 角田典彦氏によると、三菱UFJカードのポイントアッププログラムでは、6つのメリットを新たに提供するという。
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