2025年7月30日8:00
みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)の連結子会社であるみずほ銀行は、BtoB決済サービスなどを提供するUPSIDERホールディングス(以下、UPSIDER)の株主との間で、UPSIDERの株式の一部を取得する株式譲渡契約書を締結した。2025年7月29日には、両社による記者説明会が開催された。
みずほはオープンな連携推進
UPSIDERとはJVで130億の融資
みずほのビジネス面における注力テーマ として、顧客利便性の徹底追求、「資産所得倍増」に向けた挑戦、日本企業の競争力強化、グローバルCIBが挙げられる。その中で、オープンにさまざまな企業と連携をしながら、それぞれの領域を強化してきた。今回のUPSIDERとの連携により日本企業の競争力強化につなげていきたいとした。
日本企業が抱える課題として、特にスタートアップは人手不足が挙げられ、生産性を高めていく必要がある一方で、資金調達がなかなか難しい問題を抱えている。資金供給の拡大、多様化は課題となっている。
みずほFGとUPSIDER は、2023年11月から合弁事業としてグロースステージのスタートアップ支援を目的とするデットファンド「UPSIDER BLUE DREAM Fund」の運営を行ってきた。UPSIDERのCF予測をベースとした独自のAI与信モデルと、みずほの融資ノウハウを融合させた取り組みだ。新たな資金調達の手段を通じて、成長著しいスタートアップの事業展開の加速、スモールIPOの回避やスケール化を支援している。
2025年5月末時点で、累計130億円超の貸付を実施し、直近の2号ファンドにおいては国内金融機関7社が新たに参画するオープンなプラットフォームへと進化した。
UPSIDER株式約70%を約460億円で取得
異なる強みで新たな価値創出へ
UPSIDERでは独自の与信モデルと、実際に法人カード等を通じて与信提供を行ってきた実績がある。また、AIソリューションの実装力とスピードを有する。さらに、スタートアップや中小企業から支持を受けており、独自のエコシステムを構築している。みずほフィナンシャルグループ グループCEO 木原 正裕氏は「非常に志が高い挑戦者を支えています。まさに私どもと同じような志を持ってやっていきたいということになりました」と話す。
みずほでは、長年培ってきた融資ノウハウ、および多様な金融ソリューション、オープンなアライアンス・ネットワーク、大企業・機関投資家から中小企業・スタートアップに至る広大な顧客基盤という強みがある。
今回、みずほ銀行は国内外のVCなどからUPSIDER株式の約70%を約460億円で取得し、UPSIDERはみずほ銀行の連結子会社となる予定だ。これにより、両社が有する経営資源を効果的に活用し、提供価値の最大化を目指す。なお、UPSDIERは現経営陣を中心とした経営体制を維持する。
UPSIDERの創業株主は引き続き株式を保有し、今後の株式上場も視野にいれながら、スタートアップとしてのスピード感ある経営を担い、みずほFGのリソースを活用しながら新たな価値創造を加速させるそうだ。
5年間で8万獲得でも満足せず
みずほFGグループ入りでスピード最大化
UPSIDERは、「挑戦者を支える世界的な金融プラットフォームを創る」をミッションに掲げている。
同社は売り上げ規模約100憶、年間成長率50%強となる。主力サービスである法人カード「UPSIDER」や請求書カード払いサービス「支払い.com」の利用社数は、国内の成長企業を中心に8万社を超える採用実績を誇る。
UPSIDERホールディングス 代表取締役 宮城 徹氏は「スタートアップの中では比較的、規模が出てきながらも高い成長率を維持しています。一方で、社会を支えていくようなプラットフォームになることを考えた時に、日本でさえも200万、300万と中小企業があると言われている中で、事業開始から5年で8万社にしかリートできていない事実に対して、私たちはもう少し早くならないかということを常々思ってまいりました」と述べる。今後、労働人口が減少したり、専門人材の採用が難しくなる中、特に金銭周りの管理をする会社の高齢化が進んでいくことが考えられる。宮城氏は「お金周りの課題を解決するプラットフォームが、より速いペースで浸透していかないと、インフラとして駄目だという危機的な意識があり、どうやってスピードを最大化できるのかということを考えていく中で、みずほFGグループ入りすることとなりました」と説明する。
AI与信と業務が強みに、大規模なプラットフォーム創出
中立的なスタンスでビジネスを展開へ
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