2011年12月15日19:26
マスターカード・ワールドワイド(MasterCard)は、2011年12月15日、最新の世界の消費支出に関する調査結果を発表した。同調査によると、消費支出の中心が欧米からアジアへと移行するに伴い、今後5年間は新興市場の消費者が先進市場の消費者に代わって世界経済における価値創出と成長をけん引する見通しであるという。
MasterCardが発表した最新のInsightsレポート「新しい世界経済における消費支出の見通しと価値創出(Consumer Spending Outlook and Value Creation in the New Global Economy)」によると、 2012年から2016年に新興市場(中国、インド、ブラジル、ロシア、南アフリカ、トルコ、メキシコ、ナイジェリア、エジプト)における消費支出は年平均で1兆2,000億ドル増加するが、先進市場(アメリカ、日本、オーストラリア、韓国、香港、シンガポール、イギリス、オーストリア、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ノルウェー、スウェーデン)での増加は7,000億ドル前後にとどまる見込みだ。東欧の発展に大きく寄与するベラルーシ、ブルガリア、チェコ、グルジア、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、ウクライナの過渡的市場(transitional market)での増加は950億ドルになる。
また、2008年から2016年までの家計消費の推移を見ると、世界の消費支出における家計消費のシェアは、先進市場が77.4%から58.3%に縮小し、新興市場は19.5%から38.7%へと拡大する見込みだ。過渡的市場のシェアは、変わらない見通しである。これらの3市場が、世界の消費支出の大部分を占めているという。
自由裁量支出においては、2000年から2008年までは、先進市場が世界経済の88.2%を占め、新興市場は 9.2%、過渡的市場は2.6%にとどまっていた。しかし今後5年間で、自由裁量支出の増加における先進市場(49.0%)と新興市場(47.8%)の割合はほぼ同等になる見込みである。また、新興市場では15歳~65歳の「能動的消費者(active consumer)」の人口は、増加し続けるが、先進市場では変化がない見込みである。