2012年1月16日11:46
KDDIは、2012年1月下旬より、モバイルNFC (TypeA/B)サービスの提供を順次開始すると発表した。これにより、国内で初めて携帯電話でNFCサービスを利用することができるようになる。
モバイルNFCサービス搭載の携帯電話では、電子マネーやクレジットなどの決済サービスや、クーポン、会員証、各種チケットとして利用できる「カード機能」、NFCタグを内蔵したポスターにNFC携帯電話をかざすことにより情報取得ができる「リーダ機能」、NFC携帯電話同士やNFC対応機器にかざすことで情報交換を行う「ピア to ピア機能」などの利用が可能となる。さらに、国内だけでなく海外でも1台のNFC携帯電話でショッピングや交通機関の利用ができるようになる。
具体的なサービスとして、交通系では、日本航空ジャパン、日本航空インターナショナルが事前に予約・購入・座席指定を済ませた利用者がNFC携帯電話で、空港で搭乗手続きをせずに飛行機までスムーズに搭乗できるサービスを2012年夏頃サービス開始予定だ。電子マネーでは、セブン・カードサービスが、NFC携帯電話での電子マネー決済サービスを実施する。
会員証/ポイントカードとしては、カルチュア・コンビニエンス・クラブが、2012年春を目処に店頭POPにNFC携帯電話をかざすと、予告編動画などが見られるサービスの実証実験をSHIBUYA TSUTAYAで開始。また、モバイルNFCを使った、非接触型T会員向けサービスを検討している。ビックカメラでは、店舗での買い物ごとに、ポイントを貯めたり、使うことができるなど、ポイントカード代わりに利用できたり、レジで端末にかざすだけで、スピーディなポイントサービスが利用可能なサービスを実施予定だ。
クレジットカード会社では、オリエントコーポレーション、クレディセゾン、ジャックスが名を連ねており、モバイルNFCによるクレジットカード決済を開始、もしくは検討する予定だ。ギフトカード・クーポンでは、大日本印刷がNFC携帯電話を利用したモバイルギフトカードやクーポンサービス、スマートポスターを利用した情報配信サービスの提供を予定している。
情報配信では、東急レクリエーションが、NFCタグに携帯電話をかざすだけで、ヒット商品と注目商品の情報提供と商品販売を融合させた「流行発信ショップ」ランキンランキンのtwitterに直接アクセスが可能となり、リアルタイムに 話題の商品情報を取得できるサービスを行う。
東京都、国土交通省では、両者が推進するユニバーサルデザインの街づくりを目指したプロジェクト「東京ユビキタス計画・銀座」において、ucodeタグ (NFC対応タグ内蔵)を利用して、周辺の店舗やトイレ等の施設、観光案内など、さまざまな情報の取得が可能なサービスを提供する。また、東京都とユーシーテクノロジでは、上野動物園に設置されているucodeタグを利用して、目の前で見ている動物に関する詳しい情報や豆知識などを取得するサービスを今春以降開始予定だ。
勤怠管理としては、アイ・ビーとイーワークスが、NFCのリーダ機能を使った、NFC携帯電話向けの本格的タイムレコーダアプリを提供する。
商用サービスの協力企業としては、携帯電話会社およびサービス事業者向けTSM やUIMカードをはじめとするNFC関連ソリューションの開発と技術支援を行うジェムアルト、NFC携帯電話向けリモートパーソナライズサービスなどを行う大日本印刷と凸版印刷、クレジットカード・電子マネー決済端末/ポイント付与端末ならびにNFC対応の非接触ICリーダ/ライターの開発とサービス提供するネットアライブ、UIMカードの開発などを行う東芝、非接触決済方式「PayPass」の提供を行うマスターカード・ワールドワイドが名を連ねている。
今後、KDDIでは、「モバイル非接触ICサービス普及協議会」と連携し、サービス提供者がモバイルNFCサービスを提供するための環境を整備・構築するとともに、ユーザーの生活のあらゆるシーンに密着したNFC携帯電話の普及拡大を推進していく方針だ。