2012年8月9日9:00
Googleウォレットが世界中の注目を集めてデビューしたのが2011年5月。以来鳴かず飛ばずで評価がすっかり下がってしまったGoogleウォレットだが、巻き返しを狙って新バージョンを発表した。
新バージョンはクラウドをベースにしたウォレットで、国際ブランド4社のクレジットカードやデビットカードすべてをサポートする。4社とはVisa、MasterCard、Amex、Discoverである。これまでぶは、ブランドがMasterCard、カード発行会社はシティだけに対応していた。
Googleウォレットに自分のカードを格納するには、モバイルアプリにカード番号を入力するだけ。カード情報はクラウド上のサーバに保存される。
つまり、従来はモバイル利用客がターゲットだったが、方向性を大きく転換。カード発行会社をターゲットにして、その顧客を獲得しようという狙いだ。
カードビジネスはカード利用者と、カードが利用できる加盟店の双翼が必要。ビジネスを飛躍的に拡大するためにはまずカード利用者を増やすことが重要、と考えたようだ。
今回のプロモーションビデオはNFCを前面に打出さず、O2O(オンラインとオフラインの両方)での利用を淡々と解説している。それよりも既存のカードをそのまま利用できることに重点をおいている。
そのまま利用できるのはオンラインモバイルコマース。リアル店舗での利用にはGoogleのクラウドで管理するMasterCardのプリペイド口座と利用者のクレジットカードなどを紐つける。
NFC非接触決済には当面PayPassパスを使うが、VisaやAmexなどのブランドカードをいったんMasterCardプリペイド口座に連携させ、オフライン加盟店でPayPassパス決済ができるようにした。エンドユーザーには直接登録したカードを利用しているようにみえる設計だ。
カード券面をアップロードできるほか、オンライン申込みの自動カード番号入力が簡単にできる。カード会社へのサービス利用料は徴求しない。Googleは簡単に申込みができるプログラムを銀行に提供する。
MasterCardプリペイド口座のイシュアはバンコープバンク。Googleウォレットの新バージョンは最近買収したプリペイドカードのプロセッサーTxViaをベースに構築している。
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※本記事は日本カードビジネス研究会代表 佐藤元則氏の「カードBizと僕の勝手気ままログ」をご紹介しています。