2012年8月20日22:51
トーハンは、2012年8月20日、カードシステムを各種の電子マネーに幅広く対応できるようバージョンアップすると発表した。
トーハン・カードシステムは1983年、同社が業界に先駆けて大手のクレジットカード会社16社(当時)と提携・一括契約した。これにより、取引書店が面倒な契約手続きなしに各社のカードを取り扱うことが可能となった。その後、2007年にポストペイ型電子マネー「QUICPay」を導入している。
今回のバージョンアップは、トヨタファイナンスと提携し、現在、利用できるクレジットカード決済「QUICPay」に加え、「Suica」・「PASMO」等の交通系電子マネーのほか、「楽天Edy」などの電子マネーにも対応するものである。9月のスタート時には、地区ごとに各鉄道会社の交通系電子マネー「Kitaca」・「Suica」・「TOICA」・「ICOCA」・「SUGOCA」・「PASMO」・「manaca」等が利用可能となる。また、ポストペイ型電子マネーは「iD」が9月、プリペイド型電子マネー「楽天Edy」が2012年度内にスタートの予定だ。
今回、トーハンが斡旋する新しいカード端末は、従来、端末ごとに保持していた電子マネーの決済プログラムをデータセンター側でもち、各種電子マネーの利用はセンター側のアプリで対応するシンクライアントサービスを採用している。そのため端末は1セットで各種の電子マネーに対応することができる。このシンクライアントサービスは、トランザクション・メディア・ネットワークスが提供しており、書店業界での本格的な利用は日本初となる。現在の加盟書店は同社から斡旋される端末に入れ替え、地域に合わせた電子マネーを登録することにより利用が可能となる。
同社の調べによると書店店頭でのクレジットカードの利用率は、地域と立地によって異なるが都市部では売上の5%を超えている。すでに「Suica」などを導入している書店では売上の10%を超えている店舗もあり、また売上が伸びた事例もあるという。
トーハンでは現在、同システム加盟書店が全国1,300軒あり、優先的に新しい端末への入替えを進めていくが、同社の取引書店のなかでまだシステムを導入していない店舗に対して新規加盟の募集も促進する。