2012年11月1日8:30
サーバー系電子マネーをコンビニエンスストア等の「ギフトカードモール」で販売
多機能端末のPIN販売では獲得できなかった顧客の開拓と広告効果を狙う
ビットキャッシュは、携帯電話ショップやコンビニエンスストアといった「ギフトカードモール」において、同社のサーバー系電子マネー「ビットキャッシュ」をプリペイドカード形式にて、2012年9月24日からティーガイアが運営する携帯電話ショップにて販売開始した。販売券種は、5,000円、1万円、2万円の3券種となる。同社では、コンビニエンスストア等の店頭の目立つ場所で同カードを販売することにより、新たな顧客の開拓と広告効果を狙う。
POSレジでの有効化による販売で同業他社との差別化を図る
店舗の目立つ場所でカードの販売が可能に
ビットキャッシュは、1997年に国内企業としては初めてサーバー系電子マネー「ビットキャッシュ」のサービスを開始した。ここ数年は、ソーシャルゲームやオンラインゲームの成長とともに売り上げを伸ばしている。
ビットキャッシュでは、以前よりPOSレジで有効化する「ビットキャッシュカード」の導入を検討していた。ビットキャッシュのリアル店舗における販売方法は、コンビニエンスストアに設置された多機能端末を利用して、申込券を出力し、レジでの支払いと引換えに16桁の「ひらがなID」が記されたシートを受取る方法が用いられていた。「ビットキャッシュカード」の販売の導入に際し上記のPIN販売と競合になるという心配もあったがビットキャッシュ経営企画部 部長山田勝氏は、「SNS業界で発行するカードも大手コンビニエンスストアでの販売で順調に売り上げを伸ばしており、コンビニエンスストア側も設置する什器も増床を検討するという話もあって、顧客ニーズは間違いなくあると実感しました。弊社としても販売チャネルの拡大のため、有効な手段だと考え販売を開始しました」と説明する。サーバー系電子マネーを展開する企業の中でPOSレジでの有効化による販売を行っているのは同社のみであり、差別化を図る目的もあっ たという。
基本的に、PIN販売では多機能端末を利用するため、購入したい顧客には煩雑な端末への入力作業が発生する。端末は各店舗1台しかないため、利用待ちも考えられる。また、端末を操作しない顧客に対し、ビットキャッシュの存在を認知してもらうのは難しい。その一方でPOSレジで有効化する仕組みを利用すれば、顧客は店舗のギフトカードモールから「ビットキャッシュカード」をレジに持参するだけでビットキャッシュのひらがなIDの購入ができる。
また、店頭の目立つ場所でカードの販売が可能になるため、広告効果も期待できる。通常のコアなビットキャッシュユーザーはもちろん、ビットキャッシュを全く知らなかった顧客に対しても食品などの購入のついでに認知してもらうことが可能になる。
ただ、POSレジで有効化する仕組みは、PIN販売に比べ手数料率が一般的に高いとされる。その点について山田氏は、「確かにその課題はありましたが、利益は十分に見込めると考えています。広告効果に加え、顧客の購入時の利便性向上による販売促進効果が期待できる点は大きな魅力です」と語る。
10月からは大手コンビニエンスストアでも販売開始
キャンペーンと連動した販促活動も積極的に展開へ
同社では、9月下旬からティーガイアが運営する携帯電話ショップで販売を開始。10月からは大手コンビニエンスストアでも販売を開始した。また、2013年からはさらに販売チャネルを拡大していく予定である。
また、カードのデザインは社内公募で決定。ビットキャッシュは、サーバー系電子マネーとして唯一、ひらがなによるIDを使用しているため、カードについても和風の「舞妓」をコンセプトとしたデザインを採用している。また、これまでのギフトカードモールでは、企業名や商品のロゴ、キャラクターを前面に掲載したカードが多いが、それらを控え多々あるカードの中からのアイキャッチとして目立つことを意識した。今後は販促活動としてキャンペーンも積極的に行う構えだ。
会員の囲い込みに力を入れる
大幅な決済金額アップを目指す
現在、ビットキャッシュの発行量は延べ6,000万枚以上、契約サイトの数は、累計で約6,200サイトと業界で№1となっている。2011年度の決済金額は約536億円。2010年度の434億円に比べ、大幅に売り上げはアップした。
今後は、「ビットキャッシュカード」で新規顧客を獲得し、ビットキャッシュの会員組織である「ビットキャッシュメンバーズ」で顧客の囲い込みを行い、ビットキャッシュファンを増やすことでさらなるビットキャッシュの利用拡大につなげていきたいとしている。
同社では2012年度の「ビットキャッシュカード」の販売を強化することで本年度も大幅な決済金額アップを目指していきたいとしている。