2012年12月11日7:31
スマートフォンを活用した決済サービス「楽天スマートペイ」を提供
「安い・早い・便利」を売りにサービスを展開へ
楽天は、2012年12月6日、iOSやAndroidのスマートフォンを活用した決済サービス「楽天スマートペイ」の提供を本格的に開始した。同社では、「初期費用が安い」「利用開始までが早い」「入金が早くて便利」な特徴を売りに、サービスを展開する。
初期費用2.980円、決済手数料4.9%で提供
楽天銀行が振込口座の場合、最短翌日入金
楽天スマートペイは、初期費用2,980円(カードリーダを含む)、アプリケーションのダウンロード無料、月額費用無料、決済手数料4.9%で加盟店に提供する。対応するカードブランドは、Visa、MasterCardだが、楽天カードは国際ブランド(Visa、MasterCard、JCB)に関わらず利用できる。JCBやAmerican Expressについては、現時点では取り扱いできないが、今後対応していきたいとしている。
カードリーダは、縦横27mm×奥行14mmで、持ち運びに便利な小型のイヤフォンジャック型を採用している。ボタン電池内蔵で、電源も不要だ。同リーダは、楽天が自ら製造しており、デザインは佐藤可士和氏が監修した。
アプリケーションは、ペイメントカードの決済機能に加え、手書きのサイン、取引履歴の確認や取引の取消、レシートのメール送信機能なども簡単に操作できるという。
利用明細については、利用者が決済時に入力した電子メールに送信する。紙のプリントが必要な場合は、メールをプリンタなどで出力する形を想定しており、モバイルプリンタの導入は検討中となっている。
加盟店は、店舗情報の変更や取引履歴の確認、支店やユーザーの追加など、インターネットのブラウザから簡単に管理画面が操作できるという。
また、振込先口座として楽天銀行を指定した場合には、カード決済取引の翌日に送金されるのも特徴となる。楽天銀行以外の金融機関を指定した場合には、加盟店が振込申請をした翌営業日送金する。
リーダの開発や加盟店開拓は楽天自ら実施
最短3営業日で利用が可能に
加盟店開拓は、楽天が自ら実施。具体的な加盟店のターゲットについては、イベントや見本市、飲食店、宅配サービス、訪問サービス、ケータリング、サロン・美容室、レッスン・スクール、個人事務所、クリニック、移動販売などを想定している。従来、クレジットカード決済の導入が遅れていた中小規模の店舗など、業種や規模に関わらずさまざまなシーンを想定している。加盟店は、日本国内であれば特定の場所にとどまらずサービスを利用可能だ。楽天では、決済時に位置情報を確認するなどの不正対策を行うという。
サービスへの申し込みは、個人および法人での契約が可能だ。個人契約の場合には、免許証、パスポート等の本人確認資料、法人契約の場合は、商業登記簿謄本および印鑑証明書を用意する必要がある。いずれもカメラで必要部分を撮影し、申込時にアップロードしなければならない。なお、個人契約として申し込む場合、楽天カード会員で楽天銀行を振込口座として設定する場合は、資料の提出は不要だ。
楽天スマートペイは、日本クレジット協会(JCA)が制定したスマートフォン決済に関するガイドラインに準拠するなど、セキュリティ面も強化しているという。
「加盟店審査にあたっては、楽天および日本のカード会社が定める加盟店審査基準に基づきます。上記加盟店審査基準に照らし、問題がないと判断した場合は、目安として最短3営業日までにカード決済ができるようにご案内を行います。審査の結果、所定の審査基準に合致しない場合は、楽天スマートペイの加盟店にはなれないことがございます」(楽天)
また、カードリーダは、AESによる暗号化およびPCI PTS推奨の「DUKPT」方式のキーマネジメント方式に対応。クレジットカード情報を暗号化しているため、端末には情報が残らず、加盟店も利用者も安心して利用できるという。
同社では、本格サービスに先駆け、一部店舗限定でサービスを実施していたが、現状、楽天スマートペイを用いて、カード決済を行っている加盟店からの端末についての不具合は報告されていないという。同社では、カードリーダの読み取り作業について加盟店様に慣れてもらうため、通常のCAT端末同様に「読み取りテスト」モードを用意している。
具体的な加盟店の獲得目標や売上金額については非公表だが、リーダの製造や加盟店の開拓、入金処理などを自社で提供する強みを生かし、サービスを展開する方針だ。