2010年7月9日 08:40
映画を贈る!「TOHOシネマズ ギフトカード」
上映作品や各種イベントとコラボレーションした限定カードも展開
映画興行界最大手のTOHOシネマズは4月1日から、「TOHOシネマズ ギフトカード」の発行を開始している。「映画を贈る」新しいスタイルのカードとして、タイアップ限定カードの販売など、プロモーション活動に有効活用されている。
ギフトにより劇場利用者の増加を狙う
ドリンクや映画関連グッズの購入にも利用可能
「TOHOシネマズ ギフトカード」はTOHOシネマズが運営する全国52の劇場(4月現在)で利用できる。レギュラーカードは3種類のデザインがあり、購入時のチャージ額は2,000円、3,000円、5,000円、1万円の4段階。有効期限は購入日から1年間で、基本的に使いきり型のためリチャージはできない。鑑賞券の購入以外に、劇場内においてポップコーンやドリンク、パンフレット、ポスター、ポストカードなどの映画関連グッズが購入できる。
TOHOシネマズでは以前から劇場で使用できる紙のギフトチケットを発行していたが、在庫管理や利用後の回収の事務処理など手間かかっていたという。そこで、販売時にチャージするまでは価値を持たず、サーバで残高情報を管理するギフトカードに着目した。
「映画が嫌いな人は居ないとしても、劇場へ足を運ぶ人は少ない」という調査結果も出ており、誰かからチケットをプレゼントされる機会があれば、もっと劇場に足を運ぶお客も増えるのでは、という考えもあったという。
「ギフトカードは映画のチケットという役割だけではなく、飲食売店、物販の購入などすべての施設で利用ができ、さらに利用を促進しているインターネットでもチケット購入に使用できます。またカード自体がノベルティグッズとしての役割を持っていることも魅力の1つです」(TOHOシネマズ担当者)
鑑賞券の購入は100円単位だが、売店での利用は10円単位となっている。カードの入金残高は利用時のレシートに印字されるほか、劇場窓口や残高照会用のホームページで確認できる。
鑑賞券は窓口のチケットカウンターだけでなく、インターネットチケット販売“vit”によりWeb上で購入することもできる。同サイトのチケット料金の支払い画面でギフトカードのボタンを選択し、カード裏面に記載されている「カード番号」と銀色のスクラッチ部分を削ると現れる「PIN番号」を入力し、支払い手続きを行う。カードの入金金額が鑑賞券の金額に満たないときは、残りをクレジットカードで支払うことも可能だ。従来、vitによる決済はクレジットカード、ドコモ通話料のみだったため、クレジットカードを保持できない層などに利用してもらうことを同社では期待している。
なお、残高管理システムはギフトカード事業導入に関するビジネスサポートから、ギフトカードの製造・発行、プロモーションサポートまで、ワンストップでサービスを提供できるなどの理由から富士通エフ・アイ・ピーと凸版印刷のASPシステムを利用している。
ギフト用のパッケージも用意
法人向けの福利厚生用途も視野に
同社ではギフト用のパッケージもご用意しており、記念日でのプレゼント、イベントやパーティーシーンでの景品など、さまざまなシーンでの活用を期待している。将来的には、「法人向けの福利厚生用途も視野に入れて進めていく予定」(TOHOシネマズ担当者)である。
上映作品や各種イベントとコラボレーションした限定カードの製作を積極的に展開。特にタイアップの限定カードが人気で、5月末から上映された日韓共同ドラマプロジェクト「テレシネマ7」とタイアップし、「天国への郵便配達人」などのビジュアルでカードを限定発売した。第2弾として9月公開予定の「BECK」とタイアップし、7月3日から5種類のビジュアルのギフトカードを限定販売している。
具体的な枚数や金額や非公開としながらも、「映画を贈る」新しいスタイルのカードとして同社では販売に力を入れている。
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