2010年7月12日 08:20
現金顧客に比べ客単価が約10%アップ
全店舗に導入に拡大し、顧客囲い込みを強化
ユーシーシーフードサービスシステムズ株式会社(UFS)が発行するプリペイドカード「PRECIOUS CARD(プレシャス カード)」。2009年3月から上島珈琲店の全店舗で導入をスタートしたが、現金顧客に比べ客単価が約10%アップ。この成果により、珈琲館、カフェ・プラザ、カフェ・ディ・エスプレッソなど、グループ約300店舗に順次導入を拡大している。
1回の入金額は平均2,800円
キャンペーン時には1.5倍にアップ
2009年3月から上島珈琲店の全店で発行を開始した「PRECIOUS CARD(プレシャス カード)」。サーバ管理型のプラスチックカードで発行費用は無料。無記名式のため、個人情報などの登録は不要だ。チャージは1,000円単位で行うことができ、1,000円で2%、2,000円で3%、3,000円で5%と、金額に応じたボーナスが付与される。またチャージしたカードを店舗で利用すると5%のポイントが付与され、貯まったポイントは1ポイント=1円として利用可能だ。
利用者はカードの裏面のQRコードを利用して同社のモバイルサイトにアクセスすると「PRECIOUSメール会員」への登録やカード利用履歴・残高照会の閲覧が行える。会員になり、アンケートに答えると抽選で1,000円のクーポンが付与されるといったメリットがある。また新商品や期間限定商品などの情報がいち早くメールで配信されることにより、店舗への再来店率を高めている。
「現在、カードの発行枚数は5万枚です。4月から6月にかけて珈琲館、カフェ・プラザ、カフェ・ディ・エスプレッソなどのグループ店舗にも順次、導入を広げているため、この数字はさらに伸びると思います」(UFS セルフサービス事業部 企画チーム チームリーダー 細野修一氏)
上島珈琲店では、従来から行っている紙製のポイントカードをPRECIOUS CARDと併用しているが、珈琲館などではPRECIOUS CARDに一本化することになり、カードホルダーの数は一気に伸びると同社では期待している。
現在、カードホルダーの1回の入金額の平均は2,800円。ボーナス5%の効果もあり、高いチャージ金額を誇る。同社では2~3カ月に一度、カード入金時のボーナスやポイントが通常の2倍になるキャンペーンを実施。同期間の入金額やポイントは1.5倍に伸びるという。
利用単価は40~50円アップ
導入店舗の拡大で利用率と客単価を向上へ
「カード会員は現金顧客の利用単価に比べ、40~50円高くなっています。弊社は一杯350円前後のコーヒーを販売しているため、10%客単価がアップしたことになります。ただし、全体に占めるカードホルダーの割合が課題です。カード利用者は店舗への帰属意識が高いため、導入店舗の拡大により会員数をさらに伸ばし、利用率と客単価を上げていきたいと考えています」(細野氏)
上島珈琲店は飲食前に決済を行うセルフサービスを採用しているが、4月から導入を開始した珈琲館では飲食後の会計となっている。珈琲館でのPRECIOUS CARD利用率は5%を超え、好調な滑り出しを見せている。
なお、同社では販促やモバイルサイトとの連携機能を備えたバリューデザインのASPシステム、専用端末を利用している。導入後の運用に関してもバリューデザインに相談することが多いという。また、珈琲館では順次、POS連動による決済もスタート。
プリペイド電子マネーとしては上島珈琲店で「Suica」の決済も導入している。Suicaは即時に決済ができる利便性を重視して採用したが、顧客の囲い込みを図る目的であるPRECIOUS CARDとは上手く差別化できているそうだ。
贈呈用としての活用にも着手
ギフトカードモールに期待
UFSではプリペイドとしての自己利用だけでなく、贈呈用としての活用にも着手した。すでに上島珈琲店では「珈琲豆・焼き菓子・PRECIOUS CARD」を梱包して販売。今後は店頭にラックを設置することも検討している。
「毎月の累計を見ても、カードホルダーのチャージ金額と利用金額はほぼ同じ数字です。会員のリピート率も非常に高く、何度も店舗に来店して利用していただいている感触はつかんでいます。今後は新規顧客を増やす取り組みとして、スーパーや量販店などのギフトカードモールを利用して、他社でカードを販売していただくなどの展開を考えています」(細野氏)
UFSでは全店導入を行うことでカードの発行枚数をさらに増やし、最終的には全決済の10%以上をPRECIOUS CARDによるチャージ金額にしていきたいとしている。
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