2013年5月23日8:18
「非接触電子マネー」はICチップを搭載したプラスチックカードのみならず、国内で普及している「モバイルFeliCa」や「NFC(Near Field Communication)」によるモバイルペイメントなどのように、高機能な携帯電話機やスマートフォンなどの新しいデバイスにその機能を搭載しており、アメリカ、イギリス、フランスなどの欧米や韓国、台湾、香港、マレーシア、シンガポールなどアジア諸国を中心に広がりつつある。
海外のNFCモバイルペイメントの取り組みをみると、アメリカではGoogleの「Google Wallet」によって、NFCによるモバイルペイメントの実用化が2011年9月から始まった。さらに、モバイルペイメントソリューションのISISやコンタクトレスペイメントソリューションの「MasterCard PayPass」、「Visa payWave」などのNFCへの取り組みもスタートしている。
アジアでは日本の「モバイルFeliCa」による取り組みは世界をリードし、NFCモバイルペイメントの取り組みも2013年度からいよいよ本格化しそうな状況である。また、中国では中国銀聯の「Quick Pass」というコンタクトレスペイメントが上海や北京、広州、杭州、深圳などの都市部を中心に浸透し始めている。
なお、NFCに関する世界のシンボルマークとして、まず、NFCに関する国際的なコンソーシアムであるNFCフォーラムでは、NFCサービスが利用できる場所を消費者が簡単に識別できるように、NFCのシンボルとして“Nマーク”の商標(トレードマーク)を採用している。
また、金融ICカードの国際機関であるEMVCoによるコンタクトレスとNFC機能を識別するシンボルマークは下記となる。
さらに、EMVCoに準拠した「PayPass」や「Visa payWave」などのコンタクトレスペイメントカードやモバイルデバイスを使用できるPOS端末を識別するシンボルマークもある。
加えて、GSMA方式を採用するモバイルフォンキャリアなどの団体であるGSMAが定めたGSMAのNFCのアイコンも存在する。
書籍「世界の電子マネー・プリペイドカード市場要覧」では、「MasterCard PayPass」や「Visa payWave」、Discoverの「ZIP」、中国銀聯の「Quick Pass」ならびにアメリカの「ISIS」、「Google Wallet」、中国・広東省の「モバイル深圳通」といった、世界のNFCモバイルペイメントの取り組みを紹介している。