2013年10月1日8:30
年会費無料でいつでもどこでも1%割引の「P-oneカード」
「FLEXY」「G」「Premium Gold」ならポイントも貯まる
昨今は、ポイント還元率の高さをうたい文句に掲げるクレジットカードが多いが、それらと一線を画すカードがある。ポケットカードが発行する「P-oneカード」だ。サービスの中核をなすのは、いつでもどこでもカード利用金額から “1%割引”というシステム。ポイント付与ではなく都度の割引という、直球勝負の還元方法だ。
カード利用額から一律1%割引
皆にシンプルで分かりやすく、実のあるサービスを
P-oneカードのラインナップは4種類。年会費が永年無料の「Standard」をはじめ、いずれのカードでも一律に、いつでも支払い金額の1%割引が得られる。通常のショッピング利用ならば、ほとんどの店舗が割引対象となるのがうれしい。電話料金や光熱費などにも割引は適用される。月々の支払いが発生するそれらのもので年間の割引合計を試算してみれば、かなりの額となろう。
「どこのカード会社にもないサービスとして、1%割引を打ち出しました。初心者のかたをはじめ、誰にでも分かりやすい仕組みで確実に還元が得られる、バリアフリー的な考えかたに基づいています。財布に1枚入れておくと使い勝手がよく、なおかつ年会費のかからない“かさばらないカード”を追求しています」(ポケットカード 営業推進部 担当部長 上野全弘氏)
割引は、ひと月分の利用金額の合算からではなく、都度のショッピング利用ごとに100円単位で適用される。例えば、ある店舗で1万円の買い物をした場合には、その1%の100円分が差し引かれ、口座からの実際の引落し金額は9,900円となる。金額に上限はなく、使ったら使った分だけ割引が享受できる仕組みだ。
金券類や電子マネーのチャージ、ETC利用料金などは対象外となっているものの、2013年5月から新たに、国民健康保険料の支払いに1%割引が適用されるようになった。「同時に、自動車税や住民税、固定資産税など、税金関係の支払いも割引対象にしました。おかげさまで、税金の支払いにこのカードを利用してくださるかたも増えてきています」と上野氏。近年では、これら公金のクレジットカード払いが可能な自治体も増えてきている。割引額が決済手数料を上回るならば、ぜひ活用してみてはいかがだろう。
今日主流となっているポイント付与タイプのカードには、取得したポイントに有効期限があったり、商品や金券などに交換するための最低必要ポイント数が定まっていたりなど、一定の制限が設けられている場合がある。つまり、取得ポイントをすべて活用しきれない可能性が生じやすい。ところが割引タイプならば、ポイントの期限切れや端数が無駄となることに感じるストレスが軽減される。通常の買い物には、小額利用でも100円以上ならばいつでも1%割引が受けられるP-oneカードをメインで使い、特定の日や店でポイント還元率が高くなる提携カードなどをスポット的に併用する方法もおすすめだ。
流通系のマイカルカードが前身
荒波のなかでも1%割引は堅持し続ける
P-oneカードの前身は、流通系のマイカルカードだ。株式会社マイカルの破綻によって、マイカルカードを引き継ぐ形で2005年に登場した。改変にあたっては、サービス内容等を見直し、カードの主たる特典を1%割引へと変更したという経緯がある。
その後、2010年6月施行の改正貸金業法のあおりでクレジットカード業界に逆風が吹くなか、カードのスペックを見直した企業も少なくなく、P-oneカードもまた例外ではなかった。同年10月にラインナップを変更してリニューアル。年会費無料の「Standrd」は、旧カードでの特典変更と同様に通常ポイント特典の付かないスペックとなった。しかしながら、既存のユーザーにも好評を得てきた1%割引の部分については、このブランドを語るうえで外せない特典サービスとして、すべてのラインナップで引き続き提供している。
ポイントと違いすぐに費用化される1%割引は、カード会社にとっては非常に負担の大きい特典であるが、ユーザーの側からみればすなわち、ポイントのようにロスが生じるおそれのない、もっとも堅実な特典ということでもある。業界に押し寄せた荒波をくぐり抜けてなお、このサービスを装備し続けているP-oneカードは特異的な存在といえよう。
ショッピング利用時にポイントも上乗せ
「P-oneモール」からの買い物でボーナスポイントも
ところで。P-oneカードにはポイント制がまったく存在しないわけではなく、「Standard」以外の3種のカードには、ショッピング利用時の1%割引に加えてポイントも上乗せされる。一括払いならば1,000円につき1ポイント、リボ払いおよび分割払いでは1,000円につき2ポイントが付与される。還元率でいうと、一括払いならばポイントのみで約0.33%だ。1%割引のキャッシュバック分と合算すると約1.33%となる。リボ払いや分割払いならば計1.6%強の還元が得られるのは大きい。ただしリボ払いには一定の年率で手数料がかかるので、その点を考慮のうえ検討したい。
ショッピングサイト「P-oneモール」経由にてP-oneカードで買い物をすると、参加店舗によってはボーナスポイントが上乗せされるシステムもある。あわせて活用すれば、ポイントをより効率的に貯めることができるのだ。
また、通常ポイントが付与されない「Standard」も「P-oneモール」経由ならばボーナスポイントは付与されるため、有効に活用ができるのも魅了である。
ポイント交換商品はさまざまで、チケット類も充実している。たとえば250ポイント貯めるとファミリーマートで使える1,000円相当の買い物券、1,000ポイント貯めれば3,000円相当のQUOカードやギフト券、図書カード等に交換できる。
なお、ここで「Standard」以外の3券種の特徴に若干ふれておきたい。黒い券面に高級感が漂う「FLEXY」は、ショッピング利用分について月々3,000円からのリボ払いとなる、リボ専用カードだ。余裕がある月は、最小の支払い額以上であれば、1,000円単位で自由に金額設定することも可能となっている。本人会員・家族会員ともに年会費が永年無料であるものの、年間50万円までショッピングプロテクションが付帯するのも魅力だ。
上級カードとしては、年会費3,150円(税込)でゴールドカードが所有できる「G」と、年会費10,500円(税込)で機能を増強した「Premium Gold」がある。いずれもMasterCard、Visa、JCBの3ブランドから選択できる。一部ランクは違うものの、ともにショッピングプロテクション、海外・国内旅行の傷害保険などが付帯される安心設計だ。ポイント特典については基本的には同じだが、「Premium Gold」にのみ、年間50万円以上のショッピング利用で1,000ポイントが還元されるサービスもある。
メインカードに利便性のよい1枚
とくに若年世代の男性に人気
流通系のマイカルカードが前身ということもあり、もともとの入会者は主婦層が中心であったP-oneカードだが、昨今の新規入会者には20~30代の男性が多いという。現在、「Standard」と「FLEXY」はインターネットからの申込みに特化しているが、年会費が無条件で無料ということもあって、長く持ち続けるユーザーも多い。新規の申込みでも、この点が多くのユーザーの入会動機になっているようだ。
「インターネットでいろいろな会社のカードを調べつくした上で、自動的で手間がかからない1%割引の良さをしっかりと認識されてから選んでいただいている感じがあります」と上野氏は説明する。
年会費が無料のカードとしては稼働率も高い。使ったらその分だけ割引が受けられるというカード特性によるものであろう。「メインカードとして、いろいろなシーンでご利用いただくお客様が多いですね。クレジットカードの主たる機能はペイメントですので、使い勝手というのは重要だと思いますし、そういうところが醸成していくといいなと思います」(上野氏)
インターネットサービスを充実へ
1%割引の対象はさらなる拡充を図る
今後は、このカードを広く知ってもらうための活動はもちろんのこと、1%割引の対象を拡大してさらなる充実を図っていきたいという。現在のところ、システム的な問題もあって対象外となっているETC利用料金なども、いつかは1%割引が適用になる日がおとずれるかもしれない。
「インターネット系のサービスや、P-oneモールの充実も改善課題」と上野氏は語る。「よりご利用いただいて活性化を図るために、参加店舗数や見せかたを改善していきたいと思っています。1%割引と、モールのポイント還元%が併記されると、お客様にとって分かりにくさがあるのではないかなと思います。今後どのように推進していくか、あらためて研究のうえ、方針などの整理ができればと考えております」
また、少しでも良いカードに、との思いから、この11月からIC化に取りかかる予定だ。P-oneカードの名や、1%割引という代えがたい個性には、より多くのユーザーに認知される余地がまだまだある。利便性のさらなる向上への取り組みもまた、その足がかりとなることであろう。
※取材(2013年8月):ペイメントナビ編集部 ペイメントナビゲーター 池谷貴