流通額1兆円を目指す「Yahoo!ショッピング」の戦略は?(ヤフー)

2013年10月7日8:00

流通額1兆円を目指す「Yahoo!ショッピング」
サービス内容の拡充と国内№1のポータルサイトの強みを生かす

eコマースでは、「Amazon」と「楽天市場」の2大ショッピングモールに遅れをとっているヤフー。同社では、「Yahoo!ショッピング」の流通額拡大に向けて、検索サイトという競合にはない強みを生かしながら数々の業務提携を行うことでサービス内容とサイト機能の拡充を図り、将来的に流通額1兆円を目指すという。

Amazonより取扱商品数が多い「Yahoo!ショッピング」
数々の業務提携を行うことでコマースを強化

出店ストア数約2万店、取扱商品点数約8,000万点を誇る「Yahoo!ショッピング」
出店ストア数約2万店、取扱商品点数約8,000万点を誇る「Yahoo!ショッピング」

「Yahoo!ショッピング」は、出店ストア数約2万店、取扱商品点数約8,000万点を誇るインターネットショッピングモールである。取扱商品のカテゴリーは、ファッション、腕時計・アクセサリー、食品、パソコン・周辺機器、コスメ・香水、家具・インテリア、スポーツ、自転車・車・バイク、CD、DVD、本など。中でも車・バイク、スポーツの売れ行きが好調で、これを反映してかユーザーの特徴としては男性のヘビーユーザーが多い。年齢層は競合に比べて高めで、最近では50代、60代、70代のシニアユーザーが、前年比140〜150%と急伸している。

決済方法は、クレジットカード、コンビニ、代金引換、Pay-easy、モバイルSuica、携帯キャリア、Yahoo!ウォレット登録のクレジットカード、Tポイント、銀行振込と幅広く用意。出店ストアには全決済方法をデフォルトで提供しており、出店ストアが利用する決済方法を自由に選択することができる。決済機能の月額利用料は無料だが、取引額に応じて手数料が発生する仕組みだ。

ヤフーが「Yahoo!ショッピング」をスタートしたのは1999年。1999年から2000年にかけてほぼ同時期にヤフー、Amazon、楽天の3社が日本でeコマース事業を開始した。ところが、ヤフーはポータルサイトや検索の事業に注力していたため、前出の2社に比べて「Yahoo!ショッピング」の知名度は低いのが実際のところ。加えて、Amazonを上回る豊富な商品を取り扱っているにもかかわらず流通額が伸び悩んでおり、競合に大きく遅れをとった格好となっている。そのヤフーが、今、自社の強みを最大限に発揮する取り組みに注力しつつ、一方で数々の業務提携を行うことで、「Yahoo!ショッピング」の利用増を図っている。これまで後塵を拝してきたヤフーが、巻き返しに向けて動き始めた。

「Yahoo! JAPANはインターネットの銀座四丁目」
コンテンツ閲覧者に商品をすすめる

「Yahoo!ショッピング」の強みのひとつとして、Yahoo! JAPANというポータルサイトの存在が挙げられる。eコマースにおいて集客は恒常的な課題であり、これにはショッピングモール運営会社、出店ストアともに苦労している。しかし「Yahoo!ショッピング」では、Yahoo! JAPANが提供する「Yahoo!天気」や「Yahoo!ニュース」といったコンテンツを閲覧しに来た人に接触することができるのである。具体的には、Yahoo! JAPANのトップページのロゴ横、同じく画面左側にあるメニュー、そして中央下側のおすすめセレクションから閲覧者を「Yahoo!ショッピング」へ誘導している。

「Yahoo!ショッピング」のスマートフォン向けサイト
「Yahoo!ショッピング」のスマートフォン向けサイト

「我々はインターネットで最も多いトラフィックを作っています。Yahoo! JAPANというインターネットの銀座四丁目があることは、競合にはない大きな強みです」(ヤフー ショッピングカンパニー ユニットマネージャー 安房正浩氏 ※部署は取材時点)

現在、おすすめセレクションに表示する商品の一部を行動ターゲティングの手法でレコメンデーションしているが、できることはまだある。今後は、“ゴルフ場の天気を閲覧する人にはゴルフ関連商品を表示する”、“海の天気を閲覧する人には釣りやサーフィンといったマリン関連商品を表示する”というように、Yahoo! JAPANのコンテンツを生かして、ユーザーの興味やニーズにマッチした商品をおすすめしていく意向だ。

もう1つの強みは、検索だ。Googleの検索エンジンを使用しているが、検索サイトという意味では業界トップ。検索結果の上位に「Yahoo!ショッピング」で取り扱っている商品を表示することで、能動的に何かを探している人に向けてダイレクトにアプローチすることができるのである。

「個人消費200数十兆円のうち、eコマースの占める金額は10兆円ほどと言われています。『Yahoo!ショッピング』は、楽天、アマゾンに比べて規模は小さいですが、今後のeコマース市場の広がりを考えた時、十分伸びしろがあると考えられます。やり方次第では競合に肩を並べる、あるいは超えるチャンスがあると思っています。将来的には流通額1兆円を目指します」(安房氏)

出店プランを変更し、「Yahoo!ロジスティクス」を提供
Tポイントとの統一でアドバンテージを高める

流通額1兆円の実現に向けて、ヤフーでは今年、さまざまな取り組みを行っている。まず、この7月には3つの大きな取り組みを行った。

1つ目は、出店プランの変更である。これまで月間システム利用料が無料のプランと、2万5,000円の有料プランの2つを用意していたが、この7月に有料プランに一本化した。無料プランの廃止に伴い、無料であることを理由にとりあえず出店していたストアが退店したため一時的に出店ストア数は減少したが、結果的に出店ストアの質が高まった形となった。なお、後述するGMOコマースとの提携により、現在、出店ストア数は順調に増えているそうだ。

ヤフー ショッピングカンパニー ユニットマネージャー 安房正浩氏
ヤフー ショッピングカンパニー ユニットマネージャー 安房正浩氏

2つ目は、「Yahoo!ロジスティクス」の提供開始である。これは、オフィス用品の通信販売で知られるアスクルとの提携により、商品の入庫、検品から梱包、配送に至るまでの物流にかかわるすべての作業をパッケージ化して提供するフルフィルメントサービス。「Yahoo!ロジスティクス」を活用することで店舗運営活動の多くを占める商品の入庫、検品、梱包、配送の作業に時間を取られることなく、効率的な店舗運営をサポートしていこうというのだ。各出店ストア独自運営のeコマースサイトで販売する商品や、他社運営のインターネットショッピングモールで販売する商品の利用も可能としているため、複数のインターネットショッピングモールへ出店しているストアでは、より大幅な効率化が期待できそうだ。

3つ目は、カルチュア・コンビニエンス・クラブの子会社であり、ヤフーも出資しているTポイント・ジャパンが運営する「Tポイント」とYahoo!ポイントの統一である。Yahoo!ポイントをTポイントに切り替え、T-IDをYahoo! JAPAN IDに統一することにより、Yahoo! JAPANのIDで「Yahoo!ショッピング」をはじめとするYahoo! JAPANのサービスはもちろんのこと、TSUTAYAやファミリーマートなど全国5万7,000を超える提携店舗でも貯めたり、使ったりできるようになった。また、複数のIDを管理することが煩わしいと感じるユーザーの課題解決にもつながっている。このほか、ファミリーマートのレシートに「Yahoo!ショッピング」で使えるクーポンをつけて「Yahoo!ショッピング」へ誘導するといったキャンペーンの展開も可能になった。ヤフーでは、Tポイント加盟店との連携を図り、ネットとリアルの連携施策を計画していく構えだ。さらに、ポイントが最大27倍貯まるなど、還元率の高いクレジットカード「Yahoo!JAPAN JCBカード」の利用促進にも力を入れる方針だ。

続いて8月には、GMOコマースによる「Yahoo!ショッピング」の既存出店ストアに対するコンサルティングを開始した。ヤフーでは、2013年2月からGMOコマースとの提携により、新規出店ストアを対象としたコンサルティングを実施してきたが、GMOコマースとの協力範囲を拡大する形で既存出店ストアへのコンサルティングを提供していくという。新サービスの導入やTポイントとの統一により、「Yahoo!ショッピング」のアドバンテージが高まり、利用増につながることが期待されるところだ。

さらに今後は、レコメンデーションの強化に加えて、eメールでもOne to Oneのコンテンツを自動的に生成・送信できる仕組みを提供する計画。このほか、Yahoo!オークションやLOHACO(アスクルとYahoo! JAPANが共同運営する個人向け通販)とも連携して、「Yahoo!ショッピング」の利用を促進していきたいとしている。

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