2010年8月3日 12:19
カード会社と協力し銀聯の国内加盟店拡大を目指す
日本旅行カードユーザーにはポイント・割引サービスを予定
国土交通省 観光庁と中国銀聯は7月16日、「日本旅行カード」発行を通じて、銀聯カード会員の日本での旅行消費を促進するとともに訪日旅行者のリピート化を図ることなどにより、WIN-WINの関係を築くための覚書を締結した。中国銀聯との提携の狙いについて、国土交通省 観光庁 国際交流推進課 外客誘致室 中国・豪州係長 植野功一氏に説明してもらった。
中国人訪日旅行者数は年々増えています。今の勢いですと今年は150万人以上の方が来日すると思われます。中国人観光客の訪日動機として50%以上の方がショッピングと回答しており、物品購入額も他国の旅行者と比べて高い数字を示しています。
観光庁では2010年は1,000万人の訪日外国人を目標に努力しつつ、2013年に1,500万人、2016年に2,000万人、2019年に2,500万人の訪日を目指しています。将来的には訪日3,000万人を目指していますが、その最重点市場として中国人旅行者数の大幅な拡大を見込んでいます。
日本での中国人観光客の受け入れ態勢充実の1つとなるのが、銀聯カードが利用できる取扱加盟店の拡大です。その取り組みとして中国銀聯と7月16日に覚書を締結しました。
覚書の内容としましては中国銀聯が2011年の旧正月(春節)までに、主にゴールド会員をターゲットとする「日本旅行カード」を企画し、カードを発行する銀聯加盟銀行と協力して、個人、家族、ビジネスなどの銀聯カード会員に対して「日本旅行カード」の広告・宣伝を実施します。
一方、観光庁は日本政府観光局とともに、中国銀聯と提携するカード会社と協力して日本国内で銀聯カードが利用できる店舗の拡大や日本旅行カードの特典内容などの広告・宣伝を行います。
具体的には日本旅行カードでお買い物をすることでポイント特典や割引のサービスを受けられる内容を想定しています。あくまでも日本旅行カードを利用していただくことが前提になり、ほかの銀聯カードの場合はポイント・割引は適用されません。日本旅行カードの発行が来年の旧正月になったのは、訪日旅行者が増える時期にフォーカスするためです。
今年の7月から訪日観光査証が見直され、北京、上海、広州の公館48社から中国全土7公館280社に取扱公館、中国側の旅行会社が拡大しました。外務省では1,600万人に対象が広がると発表しています。今後は徐々に訪日する中国人の方が増えるでしょう。
日本旅行カードによって期待されることは、中国人旅行者の多くがリピーター化することです。ポイント・割引のサービスを実施することで、2回、3回と日本に来ていただくきっかけになります。日本旅行カードにより、国内消費の活性化を図るとともに、一度来日された中国人観光客の多くがリピート化することを期待しています。