未回収リスク保証型の後払い決済サービス「NP後払い」の成長は加速

2014年5月12日8:00

未回収リスク保証型の後払い決済サービス「NP後払い」の成長は加速
1万社以上の実績による与信システムとオペレーションのノウハウが強み

ここ数年、参入企業が増えるなど、未回収リスク保証型の後払い決済サービスの市場は拡大しているが、そのパイオニア的存在と呼べるのが、ネットプロテクションズの「NP後払い」だ。すでに1万店以上の通販企業で採用され、累計ユーザー数は4,000万人を超えている。

近年は毎年40~50%の売り上げの伸び
導入企業は1万を超える

「NP後払い」の仕組み
「NP後払い」の仕組み

「NP後払い」は、同社が購入者の商品代金を加盟店に立て替えて支払い、購入者への請求書発行から入金確認までの業務を、加盟店に代わりネットプロテクションズが実施する決済サービスとなる。ネットプロテクションズ マーケティンググループ マネージャー 秋山恭平氏は、「かつて、後払いは主婦等をターゲットとしたカタログ通販を中心に行われていましたが、弊社はEC版にカスタマイズして未回収保証サービスを展開したパイオニアです」と説明する。2002年のサービス開始当初は、生みの苦しみもあったというが、2007年からは黒字化となり、近年は毎年40~50%の売上の伸びがあるという。

料金は、決済手数料5.0%、4.4%(月額5,000円)、3.6%(月額2万円)、2.9%(月額4万8,000円)の4つから選択できる(料金は税別でカッコ内は月額固定費)。請求書の発行費用は、1取引ごとに190円(税別)。請求書の発送は、封書に加え、一部圧着ハガキに対応している。コンビニでの支払いに加え、銀行と郵便局での利用も10%あるそうだ。また、利用金額の上限は原則5万4,000円(税別)となっている。

現在、導入企業は1万を超えており、月間120~130万件のトランザクションがある。導入企業については、業種・業態の偏りはそれほどないが、売上をみると、美容、健康、ファッションの分野が強いそうだ。利用者は、30代、40代の女性が比率として多く、次いで50代以降の男女が続いている。

未払いリスクは与信システムでコントロール
運用面の経験値が大手企業の支持を得る要因に

ネットプロテクションズ マーケティンググループ マネージャー 秋山恭平氏
ネットプロテクションズ マーケティンググループ マネージャー 秋山恭平氏

同社の強みは、与信システムとオペレーションのノウハウだ。10年以上サービスを展開する中、未払いリスクについては与信システムの中でコントロールできているという。秋山氏は、「1万社以上の実績により、多くの方のご利用いただくことでノウハウもたまり、未払いをコントロールできています」と自信を見せる。また、未払いの金額が急に跳ね上がる月などもないそうだ。システム投資も5億円以上かけており、コールセンター業務の受電稼働率も95%を超えている。運用面の経験値は、大手企業に支持される要因となっている。

現状、他社が実施しているシステム自動連携によるリアルタイム与信には対応しておらず、与信確認に数分必要となるが、「顧客や加盟店のニーズがあれば、検討していきたいです」と秋山氏は口にする。

なお、転売の可能性が高い商品を販売するサイトに関しては、審査の時点で断るケースもあるが、多くの企業とは未払いを抑えるためにコミュニケーションを取り、運用を工夫しながら改善を図っているそうだ。

会員向け「フフルルポイント」を提供
参入企業の増加は好意的に受け止める

「NP後払い」導入企業の集客や購買活動の支援にも力を入れる。2013年11月からは、消費者が「NP後払い」の利用で貯めたポイントで商品との交換や懸賞への応募、寄付等が可能となる会員向けポイントプログラム「フフルルポイント」の提供を開始。すでに会員数は30万人を突破している。会員がサイトに訪れた際、導入企業の集客支援を行うことで、非会員に比べ会員の方が年間の利用回数は多くなっているそうだ。また、売り上げに占める会員比率は10%程度と高まっている。

会員向けポイントプログラム「フフルルポイント」のWebサイト
会員向けポイントプログラム「フフルルポイント」のWebサイト

後払いの導入により売り上げが伸びている企業も増えている。秋山氏は、「業種やターゲットを取り除いた状態で、10社くらいピックアップすると26%の伸びが見られました」と笑顔を見せる。

最近では、カード会社、決済処理事業者、物流会社など、後払いビジネスに参入する企業も増えているが、「ネームバリューのある企業の参入は好意的に受け止めており、エンドユーザーに啓蒙する上でプラスとなっています」と秋山氏。

さらに、多くのECのショッピングカートのアライアンスも強化。現在、85社以上と提携してサービスを展開している。最近はECサイト構築パッケージとの連携を強化しているそうだ。

今後の目標として、「NP後払い」は年間40~50%の成長率があるため、それを超える成長を維持していきたいということだ。また、会員向けサービスをさらに充実させていくことに加え、後払いを導入できる分野を広げていきたいとしている。さらに、BtoB決済サービス「NP企業間決済」など、マネタイズできる世界を広げていく方針だ。

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